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2005年8月21日 (日)

先人の教え

皆様は座右の銘はお持ちだろうか。流風ははっきりそうだというものはない。ただ肝に銘じている次の言葉がある。

いわゆる『六然』といわれるものである。これは明の時代に崔後渠(さいこうきょ)が作ったものとされる(陸湘客と言う人もいる)。東洋哲学者の安岡正篤氏が、いろんな著作で度々紹介している。また禅においてもお坊さんから紹介されることが多い。その内容は次の通り。

●自処超然 (自ら処するに超然)
人間というものは事に臨んで、自分の問題になると、捉われて心理が複雑になり、執着したり、拘泥したりする。しかし、それでは駄目で、事に臨んで、自分自身を取り扱うのに、自分に関する問題には捉われないようにすること。

例えば、自分が能力を発揮して成果を上げても、能力を発揮した自分に捉われないことが大切である。

●処人藹然 (人に処するに藹然(あいぜん))
人に処するには、常に好意を持ってなごやかに接すること。

その人に接すると、春の山の霞のかかったようなのんびりとした温かい気分・雰囲気になる。そのように心がけること。これは自分を活かし、人を活かし、結局全てを活かすことにつながる。

●有事斬然 (有事には斬然(ざんぜん))
何か問題があると、きっぱり決断して、処理すること。うろうろしたり、うじうじしないこと。

活気があって、活き活き、きびきびとしていること。言い換えれば、決断できるとは普段から準備できているということである。

●無事澄然 (無事には澄然(ちょうぜん))
何もない時は、氷のように澄み切ったように、心を平静に保ち、自分自身を深く見つめるように心がけること。

ダ・ビンチも次のように言っている。“偉大な才能は何もしていない時に最も仕事をしている”と。

●得意澹然 (得意のときに澹然(たんぜん))
得意の時はあっさりしているように心がけること。常に冷静沈着に自分は常に足りないと謙虚さを抱くこと。

誰でも得意の時はいい気になって増長してり、うぬぼれたりして、その結果、威張りちらしたり、驕ったりするが、そういうことのないように心がけること。

●失意泰然 ( 失意のときに泰然(たいぜん))
失意の時は、ばたばたせずにゆったりと落ち着いておること。

失意の時は、いつまでも続かない。ばたばたせずに、心を鎮めて次の機会を待つこと。

以上、当たり前といえば、当たり前だが、なかなかこれらのことをなすことは口で言うほど簡単ではない。凡夫の流風には至難の業だ。だが、これらの言葉を体得すれば、人生は多少楽になるだろう。『六然』は30代になって初めて知ったのだが、もう少し早く知っておけばよかった思う。そういう意味を込めて紹介した次第である。

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