« 漢字の行方 | トップページ | 先人の教え »

2005年8月18日 (木)

長期予測の闇

世の中、不可思議なものがいろいろある。最近気になっているのが、官庁などが出す長期予測である。長期予測の典型的なものが、国立社会保障・人口問題研究所が出す人口予測である。確かに人口というものは予測しやすい部類に入ると考えるかもしれない。しかし、長期予測が当たった例がない。もし当たっていれば、今ほど年金問題で悩む必要もなかっただろう。

長期予測と言うのは仮定がいっぱいである。社会状況などは現在の延長線上で考えられることが多い。現在では数年先でも不透明なのに、官庁は30年先の長期予測をしたりする。これは机上のお遊びに過ぎない。

さらに、問題なのは、この仮定の上の長期予測に基づいて、政策提言することである。その政策が予測と一致している場合は良いが、予測とずれるとその政策の実効性に問題が出てくる。政策変更は日本の場合、なかなか難しいところがあり、ずるずるやり続けて、無駄なお金を使うことになる。

またその長期予測に基づき、別の予測をする他の官庁・機関があるから、余計におかしくなる。そして、それに基づき政策提言するのだから、ますますおかしい政策がなされることになる。裏読みすれば、その予測の目的は予算取りのためと勘ぐられてもおかしくないと思う。

国家が将来に対して、夢や目的を掲げるのはよいが、長期予測などは止めにしてもらいたいものである。企業でも長期予測は止めているところが多く、中期計画のための予測で止めているところが多い。現在は経済・社会環境が変化しやすく、長期的な予測に対して意味を感じていないからだ。いかに主体性を持ちつつ、機敏に変化対応するかが問われているからだ。

官庁に求められるのは、国家の将来の目的を考えつつ、現在を深く把握することである。目標達成のための戦略には配慮しても、長期予測に時間や労力をかけてはいけないし、その予測の結果に期待してもいけない。構造改革は意識改革ということである。国の仕組みも変化に機敏に対応できる柔軟性が求められている。そのためには、官僚の意識改革が求められる。

|

« 漢字の行方 | トップページ | 先人の教え »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/99784/5523142

この記事へのトラックバック一覧です: 長期予測の闇:

« 漢字の行方 | トップページ | 先人の教え »