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2005年10月16日 (日)

マスカレード族とM&A

ライブドアのニッポン放送買収劇から始まったM&A騒動はその後、様々な企業やファンドが参加して、マスコミを賑わせている。おおよそ米国では収まっているように見えるM&Aがなぜ日本でもてはやされているのか、例により一般人の感覚で少し考えてみた。

第一に、日本にかつては考えられないような企業行動をする人々が出てきたことである。

その行動は、ある意味ビジネスにドライだし、資本の論理優先に何も疑問を感じない人々である。こういった人々を仮に“マスカレード族”と名付けよう。

その意味は「日本人の仮面を被った国籍不明(実際は一応日本国籍)の人々」という意味である。これらの人々は買収劇で有名になった人々だけでなく、多くのIT企業の経営者をも指している。しかし、流風は単に彼等を全て批判的に見ているわけではないことを断っておく。

第二に、一部の企業が日本資本主義の曲がり角を露呈させていることである。

現在M&Aの対象になっているのは、どちらかと言うと、国に守られてきた企業が多いと言うことである。それは、マスコミだったり、電鉄会社だったりする。従来の観念からすると、彼等の経営が問題なわけではない。

ただ当事者の経営者は意識していないかもしれないが、殿様経営であったことは否めない。彼等の経営は甘く、海外の投資家からすると、隙だらけのようだ。そこをマスカレード族に攻めさせている。

第三に、投資の対象になりやすい日本の企業は第三次産業だということである。

日本の第三次産業は一般的に生産性が低く、世界でも評価が低いと言うことである。日本の製造業と比べて、改善の余地はたくさんある。第二次産業レベルまで高めるには、マスカレード族の手を借りるのも一概に悪いとは言えない。

ただ、将来、日本企業ではなくなる可能性があることを日本として、あるいは日本人として許せるかどうかである。

第四に、多くのマスカレード族は、海外のヘッジファンド等金融会社などから、金の集め方を指南され、使い方まで指南されているように見えることである。

世界に金が余っていることもあり、更にオイルマネーのかなりな額がヘッジファンドとして流入しているように思う。その誘いに、マスカレード族は利用されているのではないか。

これらの知恵は、マスカレード族の知恵とは思えない。ルールの穴を探して、そこを徹底的に突くのは、違和感を感じる。確かに同様なことは、日本でも、税理士が顧問先に節税策としていろんな手口を教えている。

ただ、マスカレード族への知恵はその程度ではない。そこには、日本人としての、人間としての教養とかは全く感じられない。残念ながら、マスカレード族はお金のスペシャリストに資本第一主義を洗脳されて、日本人でなくなってしまったと言ってよい。ここでも流風はそれが全て悪いとは思わない。改革には、異端者が必要だ。

しかし、その結果、マスカレード族は、海外のヘッジファンド等金融会社の繰り人形になりつつあるように感じる。

なぜかと言えば、彼等の投資行動が、必ずしも事業目的に沿ったものではなく、お金を集められるから、投資しているように見えるからだ。投資の理由は後付けのように感じる。自分の頭で考え、自ら行動しなければ、いずれ彼等も資本の論理で切り捨てられるだろう。

これらは何かに似ていないだろうか。そう、バブルの頃に似ている。銀行は無理やり事業会社に金を融資し、お金の使い方まで指南した。その後は、私たちが見てきたあのバブル崩壊である。

第五に、来年4月から施行される「新会社法」である。現在の動きはその前触れとも言える。日本への投資・買収がしやすくなるのである。この部分は施行が遅れるようだが、圧力をかけてくるだろう。

すなわち、いずれ外国企業による日本上場企業の買収が横行するだろうということである。

予想される買収の段取りとしては、日本の子会社を設立し、その子会社が上場している日本の企業を吸収合併する。

そして株主には対価として、外国の親会社の株式を交付する。この結果、一応日本人が被っていた仮面が、いつのまにか外人が被っている可能性が高い。

以上のような状況下、私達一般人はどのように対応したらいいのだろうか。それには、時代の流れをしっかり認識して、流されないようにしなければならない。

今後はこれらの動きは、単に一部の企業だけの問題ではなく、自らに近づく危機として受け止めて、より堅実な生活態度が求められるような気がする。

*追記

なお、「マスカレード」企業群は、ヘッジファンドが目的を達成されたと思われた時点で、多分、跡形もなく、整理されそうな気がする。最初から、それを仕組んでいるように感じる。それらの経営者が感じているかどうかは不明だが。彼らと付き合うには、相当の覚悟が必要なようである。

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