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2005年12月24日 (土)

外交の一貫性

民主党の前原誠司氏の外交姿勢に批判的な意見があるようだが、別に彼の言う外交政策が自民党の主張と似ていても何ら問題はないと思う (その外交政策の中身は問題があるが、そのことは別にして)。そもそも外交には、どんな政権になろうと一貫性がなければならない。政権が変わるごとに外交政策が変われば、それは国益に反することになる。

そういう意味で、民主党の前原氏の投げかけた外交姿勢は評価していいと思う。彼の野党としての外交センスは今の日本に求められることなのだ。自民党後継者にこういう人材がいないから、小泉首相としては彼をヘッドハンティングしたい気持ちだろう。

ただ前原氏の外交絡みの憲法改正への考え方は民主党としての立場を無視しており、自民党との対立軸としては、彼の信条はともかく、護憲(あるいは公明党の主張する加憲を容認)を主張すべきだろう。そういう意味では、彼の外交方針の方法論に関しては再吟味に迫られるかもしれない。

ところで日本は政権が変わるごとに外相をころころ変えるが、あれは宜しくない。本来、外相と言うのは、政権交代にしろ、内閣改造にしろ、簡単に変更すべきではないのだ。

なぜ日本の外交が成功していないとかというと、それは外相を頻繁に変えることにある。世界とのお付き合いも基本的に人間関係であると考えるならば、そんなに頻繁に外相の変更はありえないはずなのだ。そして外相の位置づけも副首相くらい(本来ならトップ)の位置づけでなければならない。自民党の外交軽視の歴史は、日本外交のつたなさにつながっている。

また日本には外交を専門とする大統領制もないことも災いしている。首相が内政と外政と兼任していることもおかしい。実際、小泉首相のように外相未経験者は、外交で苦労している。それに日本のような大国で首相が両方こなせるとはとても思えない。首相はスーパーマンではないはずだ。

小泉首相は、それなりに努力されていると思うが、その割りに成果が出ていない。対米重視はいいが、その表現が素直過ぎて、その他の国々に多くの誤解を与えている。極めて頓珍漢な外交が多い。それは外交センスというものが欠けているからだ。そういったものは急に身につくものではない。専門にやって身につくものである。外交の戦略性についても同様であろう。

日本が将来も大統領制を取り入れないとすれば、外交に関しては何か新しい仕組みを作らなければ、戦略性もなく、一貫性もなく、機敏な対応もできず、世界から取り残されることになるだろう。憲法改正も第九条がすぐ話題になるが、現状、全く改正の必要はなく (米国も将来の米国の国益を考慮すれば必ずしも望んでいないように思う。機敏に変化対応できる各種法律の周到な用意ができるなら現憲法で十分対応できる)、むしろ機敏に意思決定できる政府の仕組みに変える必要があると思う。やはり大統領制の検討はできないものだろうか。その方が、すっきりするんだが(*注)。

*注

現実には、大統領制は不可能に近いようだ。むしろ、首相の分業が求められる。副首相を3名ほど欲しい。

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