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2006年1月18日 (水)

ベンチャー経営者のあり方

新興のベンチャー企業の事件が取り沙汰されているが、未成熟な企業では起こりうることである。しかし、誤りを放置すればよいかというと、それは問題だ (今回の問題は、当局は早くから把握していたのに、発表を遅らせたのは政治的思惑があるのだろう)。そこで、ベンチャー企業のあり方を少し考えてみた。

そもそも、ベンチャー企業の経営者の特色は、基本的に新しいことに挑戦できることにある。彼等は、ある意味尊重されるべき人々だ。ただ、それには、人々に夢を与えつつ、経営的に現実のものとしていくことが求められる。

おおよそ現在の日本のベンチャー企業の経営者を見ると、大体二つのタイプに分けられる。

一つタイプは、夢を示し、実行していくという決断力は評価できるが、そのプロセス管理の甘さ、経営管理の甘さが見られる経営者である。非常に多いタイプである。たまに経営管理面がしっかりした企業があるが、この場合、成長性に乏しい欠点がある(女性起業家に多い)。

もう一つのタイプは、投資会社(あるいは投資家)に気を払いすぎて、当初の夢を忘れ、法の灰色部分を突いたり、過剰なM&Aを実行し、本来の企業目的とずれた形態で闇雲に企業価値(株価上昇)を追求する経営者である。

前者の場合、経営力に問題がある場合で、経営管理に実績のある有能な人材をスカウトすることで、その不足は補える。そうすることで、当初の企業目的が変質しないで済む。つまり夢と現実のバランスをとって、成果をあげやすくなる。若い人たちだけで、固まらず、広く人材を集めるべきだろう。

後者の場合は、初心に戻って、夢をもう一度取り戻す必要がある。上場している場合が多いが、投資家にそのことを説明して理解を得る努力が望まれる。ある段階を超えれば、急激な成長より、社会から評価される確実な成長を投資家は望むのが日本の投資家の傾向ではなかろうか。初期の目的とずれるようなM&Aは慎むべきであり、地道な経営活動が望まれる。

もちろん、急激な投資回収をはかる投資会社もいることは事実である。日本の投資会社は経営者の尻を叩くか、騒ぐことは得意だが、共に成長させていこうという意欲が感じられない。急激な投資回収は、最悪、その企業買収ということで回収できるかもしれないが、ベンチャー企業の健全な発展には寄与しない。日本において、ベンチャー企業を健全に育てるには時間は必要である。経営者は急には育たない。またベンチャーの成長速度は教科書にあるようには一様ではないだろう。投資会社は経営の仕組みについて、もっと研究して柔軟に対応すべきだろう。そういったことは投資家に事前に説明すれば、納得は得られるはずである。

また、そのビジネスの特徴を見極め、最初から過度な投資をしないことも求められる。直接金融による資金調達は、あまりにも容易な資金調達で経営者を駄目にしているのかもしれない。間接金融中心の時代は、融資の査定が厳しく、金融機関から融資をもらえないので、経営者は苦しんだ。しかし、経営者が資金を集めるのに苦労するのは良いことである。その中で、ビジネスプランは練り直される。

これからの人口減少社会においては、健全なベンチャー企業の育成は必要だが、周囲も野放しにせず、健全・堅実な成長をするようにバックアップすべきだろう。そのため、特に税理士、監査法人の役割は重要だ。

ベンチャー企業の経営者は、いずれにしろ、謙虚に専門家の意見を取り入れ、人材の不足を補い、経営的にバランスさせることが求められる。そうすれば、時間はかかるかもしれないが、企業経営としての足腰がしっかりして、社会から認められるようになるだろう。

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