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2006年2月25日 (土)

米国のアジア国際戦略

米国のアジア国際戦略なんて、流風が語れるわけがないが、趣味的に、個人的見識を交えてまとめてみた。

米国は、ある意味、公表した戦略(参考参照)に忠実だ。もちろん、言行不一致の点も戦略に含まれているようだけど。まあ、政治に矛盾はつきものだ。大体最近感じるのは次のようなことだろうか。

まず第一に、米国は世界戦略として、中国とインドに強い関心を持っている。特に中国に対しては、米国市場を開放してきたが、それも第二段階に入ったようだ。

①中国に対しては、今後政治的自由と宗教的自由を要求するということ。

ただし自由度の程度は段階的でもよく、逆流しなければよいとのニュアンスがある。また中国が経済的自由と政治的自由は不可分であるとの認識を示していることに対して、それを理由に自由に踏み出さないなら圧力を加えるというニュアンスもある。

②米中貿易のバランスと柔軟な市場に基づいた為替システムの導入。

かつて日本に対して取った対策と同様である。この件については、特に記さないが、日本も影響を受ける。

③中国に米国企業が「公平な条件で競争できる市場を提供する」よう要求していく。

どこの国に対しても要求している事柄である。

④知的財産権の保護の強化。

表面的には関心を示しても、実際は無関心な中国に、継続的に要求していく姿勢を示す。

⑤中国の国際社会での積極的な役割を期待。

世界を米中で運営しようとする思惑。パートナーとしての位置づけ。戦略的競争者ではあるが、敵対国ではない。

第二に、インドに対しても、米国市場を開放し、引き続き開放していくようだ。

確かに、インドについては、まだ発展段階で、彼等に対する政策は明確ではない。現在のところ、期待している分野が、ITと医療分野に限定している。しかし、中国同様、その人口の多さから、エネルギー問題は重要だろう。

それに中国の次に関心が深いことはダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)での分科会の数が中国に次いで多かった(インド7件、中国13件)ことが証明している。政策内容はいずれ中国の後を追いかけるだろう。その時、同様の政策を掲げるかもしれない。だが、インドが中国と同じ役割をするかは不明である。インドに対してはインドの独自の文化を考慮して、別の政策が取られるかもしれない。

第三に、中国、インドに対しては、それぞれ国情に合わせた民主主義を求めるようである。

中国・インドへ米国の市場開放をしているのは、民主化から逆行している、ある国をターゲットにしているのではないかということ。これは東欧諸国の米国寄り政権を企てたことより、意味が大きい。

第四に、中東政策は、中国やインドに対するエネルギー供給政策が絡んでいるということ。

すなわち、脱石油を現実できるかどうかは別にして、それを前面に出してきたことは、その表明でもある。中東諸国から石油輸入量を現在の米国石油輸入量の24%比率から6%まで落とすということの表明は大きな意味を持つ。

第五に、脱石油を打ち出したことにアジア戦略が見え隠れすること。

「先端エネルギー・イニシアティブ」を発表したことにより、新エネルギーの創造と共に、省エネ・環境問題に本格的に取り組むと発表した。

ビジネスレベルまでにまで引き上げ、より米国的なシステム作りに走るものと考えられる。そして、いずれ、大掛かりな省エネ・環境システムを武器に世界をくくっていくと予測される。

これらを踏まえて、日本は今後、海外戦略を練ることが求められる。中国・インドに主体的に関与していくことも必要だが、その周辺の米国が関心の薄い地域に対しても、日本は整備していく必要がある。東南アジアの内、民主化の遅れている国々やインド周辺国家、西アジアに対しても、米国とは異なる政策で関与していくべきだろう。

* 参考
 

①「京都で自由と民主主義を語る」
  2005年11月16日、ジョージ・W・ブッシュ大統領が来日時、演説したもの。
②「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」
  2005年12月7日
③「ブッシュ大統領の2006年の一般教書」
  2006年1月31日
④ダボス会議(World Economic Forum 年次総会)

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