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2006年3月14日 (火)

気になる中国と日本の誠意

良くも悪くも、中国政府は日本の内閣の諸大臣の発言に注目している。そして、中国から見て、それが不適切だと判断すれば、すぐ抗議している。それはどこの国でもそうかもしれない。

しかし、気になることがある。外交的手段かもしれないが、強硬的発言を作為的にやっていることだ。それに外交の舞台で、あのような品のない言い方や知性が全く感じられない態度をしている。

それも中国当局のそこそこの地位の人だから、本当に情けない。単純に日本人と中国人との違いでは済まされないと思う。彼らの先人は地下で笑っているかもしれない。あのようにすれば、仮に彼等からして、正しい意見であったとしても、日本国民からは反発を受けるだろう。

物には言いようがあるはずである。あんなことをすれば、一般日本国民に反中意識を高めるだけである。日本人はあのような態度を非常に嫌う。もちろん、そのことを意図しているのかもしれないが、一般日本国民にさえ、影響を与えれば、日中双方にとってよい結果は得られまい。

確かに双方のマスコミも悪い。きちんと整理されていない状況で、発言者の背景や状況を調べず、作為かどうか知らないけど、ただ垂れ流しして煽っている。さらに、いろんな思いから流れるネット情報もある。それらが相俟って、混乱に拍車をかけて、双方の誤解を生じさせている。

これらを改善するには、もう少し整理して日中双方の外交にプラスになるように、双方の報道機関が建設的に報道する必要がある。もし、今後も、このような報道が続くなら、国民としては外務省の公式発表で判断して、マスコミ報道は無視するしかない。

さて、それはそれとして、それでは、中国が、なぜあのような発言や行動をとるのか。歴史を十分把握していない大半の日本の一般国民には理解しがたいかもしれない。しかし、原因は、日本側が作っている。

それは小泉首相による靖国神社参拝にあることは間違いない。なぜ、彼等がそれに拘るかと言えば、それは“日中平和条約”(正確には、このようなものはない。共同声明や平和友好条約等を指す。*注参照)に、あの行動が違約であると判断しているからであろう。

日本には、日本の理由があるという人もいるだろう。だが満州事変にしろ、日華事変にしろ、当時の日本の政策ミスは否めない。そして、その原因は当時の国際情勢を見誤った優柔不断な指導層や一部軍部の暴走であったことは明らかである。

それらの指導者や軍人が戦死でもないのに、靖国神社に祀られている。そこに現在の日本のトップが参拝しているのだから、これは“日中平和条約”を否定するものと捉えられても仕方ないのだ。

ただ見方を変えれば、小泉首相としては、第二次世界大戦の後半のより多くの戦死者が出た太平洋戦争への思いが強いのかもしれない。すなわち、あの戦争は欧米のアングロサクソンとの戦いであったという気持ちが強いのだろう。

あの戦争は欧米列強との戦いで自存自衛の戦争だったと言いたいだろう。中国と戦ったのではなく、欧米諸国と戦ったのだと。そのことに関しては、中国にも多大な迷惑をかけたが、理解してくれと。確かに歴史を精査すればそうだろう。

しかし、あの悲劇を作ったのは当時の政治家であり、軍部の暴走であったことは間違いない。そして、当時の隣国の政治状況は混乱していたとしても、中国人の思いを裏切り、中国の人民に多大の迷惑をかけたことも事実である。その辺は日本国民は十分反省し、後世にきちんと伝えていかなければならない。

そう考えれば、靖国神社への参拝は自重すべきなのである。それが中国人民への日本としての誠意であろう。次の日本の指導者は靖国神社には参拝すべきではないだろう。そして第三国から侵略を受けないようにするためにも、日中の指導者はコミュニケーションに厚みと深みを持たせ、それぞれの立場を超えて、歴史観を共有する必要がある。そうすれば、多くの双方の誤解は解けるだろう。

*注

中国との声明、条約、共同宣言には次のものがある。

 『日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明』 1972年9月29日

 『日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約』 1978年8月12日

 『平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言』
                                 1998年11月30日

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