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2006年10月25日 (水)

トリッキーな政党の行方

核に対する重要閣僚の暴言(非核三原則無視)、拙速な教育基本法改正(議会で十分時間をかければ、それでいいというものでもない)、NHKに対する放送命令(言論の自由侵害)など、次々と安倍政権の問題が表面化している。

それに加えて、安倍首相の指示で、郵政民営化に反対して、追い出した議員の復党を検討しているらしい。まったくおかしいことだ。そして、それは有権者に対する背信行為でもある。小泉前首相の運営方法に問題があったとしても、造反議員のために、あの無駄な選挙で、多くの税が投じられたことは忘れまい。

振り返れば、小泉前政権は、やや拙速すぎた面はあるものの、改革の印象はある。小泉前首相は、自民党を、“新自由改革党”に変えようとした。それは、“民主的”な部分を切り捨てたが、ある程度は止むを得なかった面がある。

しかし、安倍政権は、それを打ち壊すように、郵政民営化に反対した議員を復党させるほど、今の自民党政権は、信念も何もないらしい。自民党は、老人のように、足腰が弱っているのに、ただただ政権(権力)を放り出したくない一念のようである。過去に政権を取られて野党になった苦い思い出が相当強烈だったのだろう。

小泉の“新自由”的な見直しは、ある程度止むを得ないが、それに逆行してどうしようとするのか。そして、補佐官制度を取り入れ、“民主的”な部分も危い。結局、古い体質の自民党へ逆戻りの可能性は高い。いや、それより悪くなるかもしれない。

選挙で、民主党に、追い出した議員を取られると危機意識が出たのであろうが、狭量な話だ。復党させれば、政権を担ってきた自民党を逆戻りさせて、既得権益によって更に腐敗させるだろう。そして小泉改革に期待して投票した多くの支持者を失うだろう。

民主党が、まだまだ足腰の鍛え方が甘いから、何とか政権を維持している(バランス感覚が欠け、大臣病に罹った公明党が自民党を支えていることもあるが)だけのことだ。

しかし、これからは、一つの政党が政権を握り続ける時代ではないのに、時代を読めていないのは本当に困ったことだ。自民党はいずれ政権を手放すのは時間の問題という認識が必要だ。

流風は郵政民営化に賛成であったので、当時自民党を支持した。民主党には、郵政民営化は党内事情で不可能だったからである。しかし、その問題を除けば、政権は、どちらが握ってもよいと考えている。

政党の暴走を止めるには、お互い牽制しあう勢力があったほうが国民にとっても望ましい。最終的には、有権者の判断だが、現在は自民党の勢力が明らかに大きすぎることは明らかだ。国民には、バランス感覚が求められる。

小泉前首相は、危機感から、自民党を改革しようとした。しかし、有権者は皮肉にも、昨年の衆議院選挙で自民党を勝たせ過ぎた。戦争でも、そうだが、勝ちすぎると、次に危機が来る。それは自民党崩壊を期待したわけではないのに、皮肉にも、そのような選択をした。

残念ながら、勝ち過ぎが自民党の驕りを生んでいる。それは小泉首相在任中にも見え隠れしていた。そして小泉氏が去った後に、自民党の危機的状況は、表面化し、安倍政権の重要閣僚の暴言で明らかになった。これは危機の表出だ。同時に、これは国民に対する警告であるかもしれない。

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