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2006年11月10日 (金)

詩人のラブレターについて

最近の若い人はラブレターを書いているのであろうか。それともメールで簡単に済ませているのだろうか。若い頃、恥ずかしながら、流風も、ラブレターを書いたことがある。返答は、なしのつぶてが多かった。

でも、全く反応がないわけではなかった。諦めた頃に、返答があったこともある。でも、その頃には、こちらが冷めてしまっていたことも。その女性は何回も読み返して、返答をくれるようなタイプだったんだ。

そう、手紙は何回も読み返される。ラブレターにはそういう効果がある。ただ内容は慎重にしないとね。結婚した後で、ちくちく追求されることも多いようだから(笑)。

でも、書いたことのある人はわかるだろうが、あれは書いていると、どんどん妄想がわいてくる。相手を大体、過大評価してしまうことも多い。流風の場合、今から考えたら、何て恥ずかしい表現をしたのだろうと思うが、若さゆえのことかもしれない。あれでは、相手も引いてしまうわ、という内容だったと思う(笑)。

ところで、日本の漢詩で詩吟にも詠われるものにも、珍しくラブレターのようなものもある。これは、そんなに大袈裟でなく、直接的だ。最近の若い方に通じるものがあるかもしれない。ただ、若干のユーモアを含んでいる。それは、雷首作で、『贈小琴女史(しょうきんじょしにおくる)』というものである。雷首については、詳しくはわからない。筑前の儒者、亀井昭陽の門弟と云われている。

   二八誰(た)が家の女(じょ)ぞ

   嬋妍(せんけん)真に憐れむ可し

   君に王上の点なくば

   我れ出頭の天とならん

少し、気になる女性に謎をかけている。軽い求婚に近いかな。大意は、あの妙齢(16歳くらい)の女の子は、どこの娘だろうか。あでやかな美しさは、本当に可愛いよ。もし、あなたに御主人がいないなら、私があなたの夫になりますよ、ぐらいの意。

「王上の点」とは、「王」に点を付けると、「主」になり、「出頭の天」とは、「天」が突き抜けると「夫」になることをシャレたもの。まあ、あなたの彼女に試してみることですな(笑)。でも女性がこのネタを知っていればダメだけど。

そして、これには、実は、女性の方から、この意を察して、返答の漢詩がある。題は不明だが、亀井小琴の作である。ちなみに彼女は亀井昭陽の娘だ。彼女は亀井家の教えを継ぎ、詩画に優れていたという。

   芙蓉第一の梅

   今夜君が為に開かれん

   花の真意を識らんと欲せば

   三更月を踏んで来たれ

敢えて、大意は記さない。女性にしては大胆だね。本当に彼女の作だろうか。彼らは、その後、どうなったのだろうか。

*追記

この話は、中国のある故事をベースにしているという話もある。二人が共に、その話を知っていたから生まれた逸話というのだ。

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