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2007年2月16日 (金)

天の恵みへの感謝 (下)

(石川理紀之助 『常訓抄』 前回からの続き。コメントは流風)

一、万事堪忍すべし。

自然を相手にすれば、なかなか人間の思惑通りには行かない。あまり結果を急がないことだ。自分の思っていることが、相手(天地人)に真に伝わるには、時間がかかる。理解の仕方は、様々だ。そして、無条件に受け入れてもらうには、自己の涵養以外にない。それにも時間がかかる。

一、難儀なることは自分になし、易きことは人にゆずるべし。

農業をやるという共同体においては、誰にでもできる成果は他人に譲り、困難な仕事はすすんで引き受ける。人の成果を横取りしても、長い目で見れば、うまくいかない。お人好しと言われようが、誰にでもできる成果は与え続ければいい。困難で嫌なことを引き受ければ、能力はアップする。そして思考が深くなる分、人間性も磨かれる。

一、予産を立てて家産を持つべし。

常に災害に備えて、備蓄が求められる。そのためには、収入以上の生活をしない。それは個人も企業も同じであろう。収入の8割で家計を回し、2割は貯蓄し、将来に備える。ただ、将来の目標が明確でないと、貯蓄は無駄になる。

一、遊芸を好むべからず。

芸事や骨董品収集などは、身を滅ぼす。往々にして、仕事を忘れてしまい、時間とお金の無駄遣いにつながる。土地を耕すという本分を忘れてしまったら、必ず天罰が下る。大体、経営者の場合でも、三代目から芸事や骨董品収集などに手を出す傾向あり。基本的には手を出さない方がいい。所詮、捨て金に過ぎない。

一、無尽を立つべからず。加入すべからず。

金銭の貸し借りは、碌なことがない。人間関係の破綻は、ここから生じる。貸さない、借りない。

一、利益ありとて家業の外事すべからず。

本業以外には手を出さない。ちょっと儲かりそうな話があると、すぐ乗りたくなる心をじっとこらえて、本業に精を出す。その方が成果が出やすい。

一、人の保証となるべからず。

決して保証人にはならない。これは親戚・兄弟であろうと同様。過去に判を押して、人生を破滅した人は数知れず。

一、大酒のむべからず。煙草のむべからず。

酒の飲みすぎは過ちを犯す。煙草は吸わない。気分転換するには別の方法を考える。

一、賭博は勿論、すべての賭け事すべからず。

博打に限らず、投資の類や宝くじなどにも、お金を使わない。法律に触れるものはもちろん、合法的なものにさえ手をださない。

一、公租は勿論、他の納むべきものは、窮するほど速かにすべし。

税金は、どんなことをしてでも、まず納める。それは日頃の心構えで決まる。国民は国家に守られていること認識すべきだ。他国の三流国民の真似をする必要はない。ただし、公務員の無駄遣いは監視すること。あまりにも組織効率の悪い仕事が多すぎる。

以上のことは、別に農業者でなくても、活かすべき教訓だろう。常に最悪を考えておけば、余裕をもって仕事や生活ができる。若い時は、教訓話を嫌がるが、結局、一番効率がよい。それには、若い人は、まず、この教訓の元になる原因・結果を事例から探り学び、自ら納得することが大事かもしれない。

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