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2007年2月23日 (金)

謡曲『殺生石』 (上)

確か、昨年だったか、一昨年だったか、温泉で亜硫酸ガス、硫化水素ガス、ヒ素などの有毒ガスが発生し、それに巻き込まれて人が亡くなっていた。時々、温泉に行こうとは思うが、そういうのを聞くと、秘湯というところはリスクが大きいかなと躊躇してしまう。

しかし、これは、昔からあったようで、ある場所を鳥などが飛んで来て、急に死んだり、動物がばたっと倒れてそのままになったりして、天から災いが降ってきたと昔の人々は考え、これを「九尾の狐」の仕業と思ったようである。

このことに題材を取り、能にも、『殺生石』として描かれている。玉藻ノ前を九尾の狐と見破った陰陽師の阿部泰成と、大きな金槌を玄翁と言うが、その語源である玄翁和尚とが登場する。

玄翁和尚については、殺生石の害を打ち砕くため、ある和尚の下で修業していたが、和尚は殺生石の害を打ち砕くため、秘法を玄翁和尚の兄弟子に授けるが、その秘法の経文「魔呪品」を盗み聞きして、密かに旅立ち、お経を唱えながら、殺生石を叩き割ったという。それを聞いた和尚は、怒り心頭。玄翁和尚を破門にする。

盗み聞きは確かに悪いことだけど、危険を顧みず、時を措かず実行した玄翁和尚は偉いと思う。世の中、知識はあっても、実行しない例は、多々見られる。和尚は、兄弟子の手前、破門にしたかもしれないが、その実行力は評価していたと思う。玄翁和尚に民を救済するという問題意識があったのだから。

『殺生石』の舞台は、那須湯本温泉の源泉「鹿の湯」の西方にあると言う。流風は、まだ行ったことがない。将来、落ち着いたら、怖いもの知らずで、行ってみようかなとも思う。今でもガスが噴出しているそうだが。

あらすじは、次回、謡曲『殺生石』(下)にて示す。

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