« 新酒の季節と福の神 | トップページ | 芸術家の研鑽と謡曲『絃上』(上) »

2007年2月 3日 (土)

渡辺崋山の心得

江戸時代の画家、渡辺崋山は、日本画についてだけでなく、商売の心得を残しているのは面白い。芸術家といわれる方は、金銭に疎いと言われるが、どうも渡辺崋山は違ったようである。実は、彼は藩の重役の長男として生まれるが、財政難のため、父の俸禄がわずかであったため、苦労している。そうしたことが金銭感覚を鋭くしているのだろう。

家計を助けるためにやったのが画業だったようなのだ。そんな中で、苦学して、儒教や農学も修めている。後、藩の家老にまでなっている。単なる芸術家でないことが、下記の様な発言になっている。

彼が言っているのは、流風的解釈を付け加えれば、次のようなことである。

一、まず朝は召使より早く起きよ。

これは、誰もよく言うことです。召使より早く起きると、召使も早く起きざるを得ない。模範を示せということでしょうか。ちなみに、早起きは、子供の頃より、習慣化させれば苦労はない。子供に何か役割を持たせると、比較的早く習慣がつく。

一、十両の客より百文の客を大切にせよ。

どうしても高額な商品を買ってくれる顧客に目が行きがちだが、商売は、利幅が薄く、長い取引の商売が成功すると云われている。この感覚は、子供の頃より商売していないとなかなか身につかない。

一、買人が気に入らず返しに来たら、売る時よりも丁寧にせよ。

返品は誰も嫌だ。いろんな客がいるのも事実だ。ここで言う客は普通の顧客である。いつも買ってくれる顧客が返品するのは、余程のこと。きちんと理由を聞いて対処する。

一、同じ商売が近所にできたら、懇意を厚くし、お互いに励めよ。

競争相手が近所に来たら、挨拶もしない経営者がいるのは情けない。競争しつつ、棲み分けすることは可能だ。そのためには、コミュニケーションが必要だ。

一、出店を開いたら、三ヵ年は食料を送れ。

店の者が暖簾分けして独立したら、食料を送って支援せよ、ということらしい。独立したから、ライバルになるから警戒するのではなく、お互い協力する姿勢が大切である。苦しい時の援助は、将来、回りまわって自社に返って来る。

|

« 新酒の季節と福の神 | トップページ | 芸術家の研鑽と謡曲『絃上』(上) »

経営関連」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 新酒の季節と福の神 | トップページ | 芸術家の研鑽と謡曲『絃上』(上) »