« 戦時心理と平時心理 | トップページ | 馬鹿になる食事 »

2007年3月17日 (土)

戦争の歴史と戦争被害者

あらゆる戦争において、平時には、基本的に民間人は巻き込まないと言っていても、戦争に突入すれば、最終的には必ず巻き込まれる。歴史的には、戦争において、結局、一般市民が一番被害を受けている。

戦争状態において、それを少なくするには、軍律を厳しくすることだが、世界できちんと守られた例は少ない。欧米はもちろん、全ての国の戦争の歴史を見れば、それはひどいものである。戦争の歴史は、略奪と凌辱の歴史でもある。戦争の歴史の中では、常に敗者に属する民間人は、多くが蹂躙され殺戮されている。

よく日本を批判する中国にしても、同様である。戦前の状況下、内戦状態にあった彼ら同士の殺戮は凄まじいものがあったと聞いている。それに巻き込まれて多くの民間人(日本人も含む)が亡くなっている。それらを全て日本軍の責任と転嫁しようとするが、歴史的事実を伝えていない。彼らは統治のために歴史を国民に隠蔽している。

その中で、かつての日本軍は、一部の例外を除けば、世界の中で比較的軍律が守られた方だろう。軍律が厳しいこともあったが、軍の運営は当時の国民性の表れとも言える。もちろん、全てが正しかったとは言わない。一部のはね返りや目立ちたがりが暴走したし、一部の民間人が、彼らを苦しませただろう。

特に、朝鮮・満州経営は、問題が多かったと言われる。日本の問題は、植民地経営のプロがいなかったことなのだ。英国のように、地元の人材に任せ、自治領とする発想はなかったようだ。比較的成功といえる台湾方式を踏襲したが為の失敗と言えるかもしれない。統治方法において、どこでも通用するやり方はないのだが、日本は前例主義で失敗している。そして、そのことが、多くの恨みを買っている。

ただ、従軍慰安婦(当時、そういう名称はない)の問題が、また蒸し返されているようだが、軍が直接関与したことはないだろう。ただ、戦前は合法的だった売春組織を同行させたことは確かだ。

また、日本の死の商人が、軍の情報を得るため、彼女等を引き連れて利用した可能性の方が高い。彼女等は、いろいろなタイプがいたと思うが、ああいう厳しい状況下、生きるための選択があった人もおれば、業者に騙されて連れられてきた人もいるかもしれない。

死の商人は、何も日本軍だけに武器を供与したのではない。敵方にも情報を流し、武器の横流しをしていたとの疑いはある。彼らはいつもそうだ。そういう状況下で、死の商人が、従軍慰安婦(敵方のスパイ含む)を商売ベースで利用した可能性の方が高い。

ただ軍も、逆に軍の統制上利用したかもしれない。それは、結局、敵方の民間人にレイプなどの危害を与えないようにする方法と考えたかもしれない。そうすることによって、進出先または侵略先の婦女子の被害は最小限に抑えられる考え方から来ている。彼女等のお陰で、多くの人が救われたことも事実がある。

そういう意味では、彼女等も戦争被害者であろう。しかし、戦争被害者は彼女達だけではない。戦争で、多くの人たちが巻き込まれ、戦争被害者として亡くなっている。殺されたから、声を発することが出来ないだけだ。

ただ、従軍慰安婦といわれる女性たちは、生き残ったが故の苦しみを味わっておられる。政治家の軽率な発言は避けねばならない。だが、彼女等は現在、政治利用されている。事は、より複雑だ。

そのように考えると、後世の者は、何が正しくて、何が正しくなかったなどと、戦争行動を単に批判しても、何も生まれない。いかに戦争を避け、戦争被害者をなくし、世界が協調して生きられるか、知恵を出さないといけない。それが歴史に学ぶということであろう。まずお互いが、それぞれの歴史を客観的に精査して知恵にする必要がある。

*  追記

以上記したことは、人々の感情的評価を過度に政治レベルに持ち込む危険性を指摘しているのだ。歴史は、感情を抜いて客観的に評価しなければならない。

また、流風は、戦前の日本軍の大陸進出及び侵略を評価しているわけではない。日露戦争によって、文武両道の軍人が多く失われ、その後の軍人は職業軍人馬鹿が増え、文武両道の考えを持つ人たちがいなくなったことが、軍部の暴走を生んでいる。

そのことは、最近出版された『小倉倉次侍従日記』(昭和天皇、戦時下の肉声、文藝春秋四月特別号)に詳しい。哲学や歴史観に乏しい軍幹部が、天皇に嘘の報告や見通しを伝えている。これらの人々が国をミスリードしたことは疑う余地がない。

|

« 戦時心理と平時心理 | トップページ | 馬鹿になる食事 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 戦時心理と平時心理 | トップページ | 馬鹿になる食事 »