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2007年4月17日 (火)

医療ミスを扱った映画から

医療ミスを扱った映画に『評決』がある。医療ミスで植物人間になってしまった女性を巡る医療機関との法廷闘争を題材にしている。なかなか見ごたえのある映画だ。最近の洋画がつまらないものが多い中、当時(1982年)は、こんな映画を作っていたのかと感心する。

監督はシドニー・ルメット、主演は落ちぶれた弁護士を演じるポール・ニューマンである。対する冷酷な弁護士には、ジェームズ・メイソンが演じている。ポール・ニューマンの親友に、ジャック・ウォーデン、妙に絡んでくる美女にシャーロット・ランプリングだ。

昔は敏腕弁護士のフランク・ギャルビン(ポール・ニューマン)も、どろどろした法曹界の不正行為に巻き込まれて、自分の潔癖さから事務所を首になり、事務所の代表の娘と結婚したのも離婚に追いやられる。

そして、当然の如く、酒びたりで落ちぶれていく。できる人間には、よくあることだ。たまにやる仕事もいかがわしい仕事で、業界からはつまはじきにされている。

親友のミッキー(ジャック・ウォーデン)だけは、何かと気を配ってくれて、仕事を紹介してくれる。その中に、病院の医療ミスで植物人間になった女性のの姉夫婦からの仕事の依頼を回してくれる。

姉夫婦は示談のつもりだったが、フランクは植物人間になった女性の入院現場を見て、怒りを覚え、かつて持っていた正義感が湧き上がる。そして、示談でなく、法廷闘争に持ち込むべきだと主張する。

しかし、病院側の弁護士は大手事務所の正確・冷徹・敏腕で知られる大物弁護士コンキャノンだ。組織的情報収集力を活かして、完全な弁護を計画する。

それ以上のあらすじは控えるが、なかなか面白い映画だ。ナゾの美女ローラ(シャーロット・ランプリング)の役割は特に隠しておこう。1982年の制作だそうだが、なかなかテンポもよく、真に迫るものがある。

この映画を鑑賞して感じることは、医療ミスは、医療者が自覚していないところで、起こるものかもしれない、ということだ。そして、医療は定型業務ではないことだ。絶えず、細かい変化がつきまとう。それを事故なしに対応することは至難の業だ。

やはり定期的な第三者の目によるシステムのチェックが望まれるかもしれない、というのが鑑賞後の印象である。そして完全な医療というものは存在しないかもしれない。それに対して、患者が完全を求めるのは無理があるのだろう。そういうミスに対する保障を明確にした仕組みが求められる。

また忙しい医療者の負担を小さくすることも重要で、医療者個人も自分ひとりで頑張らないで、全体を見る目を養う方がいいかもしれない。結構、業界では常識と思っている無駄な仕組みがあるはずだ。それを洗い出すことも求められる。

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