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2007年4月30日 (月)

日本スルーは起きるか

日本政府としては、米国の次の政権の方針を睨んで、政策転換が求められる。そのため、米国議会と綿密な連絡を取りながら、方向性を見極める必要がある。

まず一番の関心事である、次の米国の大統領選では、民主党のクリントン元大統領夫人のヒラリー氏が立候補するそうである。一つの問題意識として、米国は戦略的に「日本スルー」を始めるだろうか。一般人の感覚で述べてみたい。

現米国政府は、日本に国際的武力行使を求めるために、国家主義に走らざるを得ない憲法改正を求めておきながら、他方、安倍政権が憲法改正論議も含めて、国家主義に傾いていると感じているようだ。もちろん、これは米国の政治状況の変化もあるが、このように日米同盟は万全ではない。

この点に関しては、海外経済誌は、相当前に、米国の政策が、日本を右傾化させると警告していた。自民党は、実際、全般的に右傾化しているのは確かだろう。民主党だって、前代表は、かなり国家主義的である。

しかし、外部の警告にも無関心で、兵器産業に煽られた安倍政権の無邪気な発言は、結局、国益を害する。この原因は、政治家の哲学の欠如・主体性の欠如と言わざるを得ない。単に世界の情勢に流されて、何の哲学もなく、目先だけを見て何も考えていないのだ。

それがため、朝鮮半島問題も、実質、米中間で処理が進められている。日本は、蚊帳の外である。六カ国協議にしても、単に席を暖めているに過ぎない。まあ、六カ国協議自体、馬鹿げているが。

日本には、東アジアをどうするかとか、朝鮮半島をどうするかというアイデアや提案が全くないのである。拉致問題の解決は大切だが、そのような事件を起こさないようにするためには、どうしなければならないのか。隣国の日本がどうしたいのかの表明がない以上、各国は自分のやりたいように主張するだけである。そういうことでは何も解決しない。

日本は拉致問題に固執しているが、核問題の方がテーマとして大きいのは言うまでもない。ただ北朝鮮だけの問題ではなく、アジア全体・世界全体としての問題意識が重要だ。そして東アジアをどうするかという、もっと大きな視野で、朝鮮半島を見なければならないが、安倍政権は見識が低すぎる。

朝鮮統一問題を解決することが拉致問題を解決することにつながることが、どうもわかっていない。米国が日本に期待していることは、そういうことだったが、日本政府は全く機能しなかった。結果的に、米中で問題を解決するしかないと米国政府は判断したのだろう。

それに小泉-ブッシュは特殊な状況で築かれた戦略的信頼関係であることがわかっていない。お互いメリットの薄い安倍-ブッシュ関係は軟弱と考えていいだろう。そして、その割りに、日本政府は日米同盟を信用しすぎている感じがする。彼らの国益に合わなければ、信頼関係が薄れるのは、至極当然のことでもある。

今後、ヒラリー氏が大統領になれば、日本はクリントン元大統領の時代と同じく、日本は完全にスルーされる可能性が高い。米国は、今後、米中同盟を軸に外交を展開する可能性もある。朝鮮半島問題で両国は急接近した。それを安倍政権は認識しているのだろうか。日本スルー化の時代に、日本はいかなる外交戦略で臨むのだろうか。

*追記

民主党の大統領候補は、流風の予想に反して、オバマ氏に決定している。これは米国の中で、意識の大きな変化があるのかもしれない。共和党との戦いで、どのような結果になるのかわからないが、対日本外交がどのようになるのか興味のあるところである。

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