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2007年6月 4日 (月)

酒は百薬の長

酒は百薬の長と言って、あまり飲めない父も、晩年は、医者に勧められて、毎晩、少し飲んでいた。流風も、最近は少しだけ、たまに舐める程度に味わっている。酒飲みの方からすると、とても飲んでいるとは言えないが。

ところで、この「酒は百薬の長」という言葉の意味は、お酒を適度に飲めば健康によいとされるが、出典の内容はいささか興を削ぐ。時代は、中国の前漢と後漢の間の時代のことだ。つまり歴史で習ったように、あの王莽が皇帝の地位を簒奪して「新」を建国した時代のことだ。

王莽は、帝位を簒奪するために、酒を使った。すなわち彼は自分の娘を、自ら立てた十二歳の平帝の后にし、不老長寿の酒としてお酒を献じて、彼を毒殺し、自らが操縦しやすい、まだ二歳の子供を帝位につかせ、自らは仮皇帝と称して、ついに皇帝になった。

そして彼は、苦しむ民のことを考え、物価統制のため、塩、酒、鉄の専売公社のはしりの政策とした。もちろん、裏には物価統制とともに、国家の重要な資金源にしようとしたことは間違いない。

しかし、役人達が業者とつるんで、金儲けをはかったため、人民は更に苦しむことになる。いつの時代もどこの国にも悪徳役人はいる。そこで、彼は、政策を徹底させるため、政策の意味をわからせようと詔を出す。

詔の内容は、「それ、塩は食肴の将、酒は百薬の長、嘉会の好、鉄は田農の本」(『漢書』)とある。料理に塩は欠かせないし、酒は健康にいいし、宴会を盛り上げ、鉄は農業に重要な役割を果たすという意味だろうか。

これらは民のためのものだとして諭したのだが、結局、通じず、民は更に貧しくなり、各地で暴動が起こり、彼は失脚し、血祭りに上げられる。国家が先か、人民が先かの判断を彼は間違ったことになる。国家は民あってのものだ。また性急な政策転換は、リスクが大きいことを示している。

どうも、出典を読むと、いいお酒も、いささか醒めて来る。お酒も使いようで、きな臭くなる。例の社会保険庁の皆さんも、飲めや歌えやで、情けないことをしでかしている。無駄な施設は作るし、年金データも出鱈目で、全く仕事をしていない。今、日本で革命が起こっても不思議ではないが、国民は妙に冷静だ。

政治家の皆さんは、彼らを全員解雇し、退職金はなしにする法律を作ったらどうだ。民間企業で、倒産した会社が退職金は出せないでしょう。それにしても何時の時代も、泣かされるのは国民だ。

さあ、皆さん、お酒で憂さを晴らすのだけは止めときましょう。健康にもよくないし、不良公務員をのさばらせるだけだ。どうも、しばらくは、酒は百薬の長にさせてもらえないようだ。

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