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2007年7月17日 (火)

桑の木の物語

桑の葉のお茶が健康によいというのを知ったのは最近だが、蚕の食む桑の葉は何かしら不思議な効用があるのかもしれない。

ところで、その桑の木は、色々な伝説を生んでいる。あの孔子も桑の木の中で生まれたというし、殷の湯王を補佐した名宰相、伊尹(いいん)も桑畑で生まれたという。

まあ、これは捨て子というか、出生不明ということだろう。それぞれが出世して後、出生の秘密を謎のように脚色したのだろう。ただ孔子の場合は、実際の出生の秘密を一生恥じたというが、ここでは詳しく記さない。

さて、今回は、桑の木について、園客の話を記してみよう。『列仙伝』にあるものだ。もちろん、その内容は事実と言うより、多分に空想的だ。あらすじは次のようなものだ(若干、流風が脚色しています)。

現在の中国山東省に、園客という、容姿美しく、人柄も素直だった男がいた。まるで流風みたい(嘘だよ。笑)。そのためか、彼に妻として娘をやろうという人は多かった。

しかし、彼はどうしても受けようとしなかった。そうすると、人々は疑問に感じて、彼はどこか身体が悪いのかと思われたのか、誰も声をかけなくなった。

彼は、常々、「五色の香草」を栽培して、何十年も、その実を食べていた。五色の色はどんな色か記していないが、五行説にあたるものだろうか。そして、それはどうも桑の実らしい。桑の葉で作ったお茶が健康にいいが、その実も健康にいいのだろうか。

そこに、ある日、畑に五色の蛾が飛んできて、その五色の香草の枝にとまった。彼は、珍しいことだと思い、そこで、その枝を切り込んで、布に包んでおいたところ、見事な蚕が生まれた。流風は、子供の頃、夕方、おたまじゃくしを持ち帰り、バケツに入れていたところ、朝には、蛙になって、家の中を飛び回っていたことはあるが、蚕になった経験はない。えらい違いだ(笑)。

そうすると、その夜、一人の美女がやってきて、自らは、園客の妻だと称する。まるで押しかけ女房だね。結局、彼は彼女受け入れる。どんな男も美人にゃ弱い(笑)。彼女は蚕のことを説明し、彼と共に蚕を飼う。

そうすると、120個の繭を得た。その繭は異常に巨大で、甕ほどの大きさだったという。繭1個を紡ぐのに、60日もかかったという。それでも、全てを紡ぐと、二人はどこかに姿を消してしまったという。

まあ、出典が出典だけに、空想話と捉えられるかもしれないが、最初に蚕から繭を取り出し絹にした人々がいることは紛れもない事実。私達は皆、その恩恵を受けている。こういう空想話もあっていいと思う。

そして、先人の発見した絹は、最初は権力者の物だっただろうが、現在は人類の宝だ。絹の手触りは最高である。大事にしたいものである。

*参考 五行説による色

      木(青)、火(赤)、土(黄)、金(白)、水(黒)

*この話の流風的推定

この話は、流風が思うに、雷が落ちないという桑畑にたまたま雷が落ちて、たまたまそこにいた園客が被害を受け、気絶しているうちに見た夢ではないか。何かのショックを受けて、何らかの啓示を受けることがある。そういう発想から、この物語は作られているのではないか。

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