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2007年12月13日 (木)

情報判断力と伴食宰相

“伴食宰相”という有難くない言葉がある。現在の日本はどうだろう。大臣の中には、伴食宰相はいなくても、伴食大臣はいるかもしれない。本来の意味とは異なるが、官僚の言いなりの大臣は多そうである。

この伴食宰相の言葉の由来は、唐の玄宗皇帝の前期の話である。よく知られているように、彼の前半は、善政だったが、後半は、楊貴妃に溺れて悪政になっている。

前半は、賢臣を登用し、唐の最盛期「開元の治」を成している。その基礎を作ったのが、宰相姚崇(ようしゅう)だ。喜怒哀楽を示さず、政治決済が早かったという。極めて論理的に物事が整理されていたのだろう。

彼は、民に尽くすことが、国を発展させると考え、さまざまな建言をした。皇帝の奢侈禁止、罰則の適正化、賦役軽減、租税軽減、募兵制度の確立など、全てそうだ。

さて、伴食宰相という言葉がなぜできたかというと、彼がたまたま所要で留守の間、彼のお気に入りで真面目な部下の大臣に、職務代行をさせたが、どのように勤めても、はかが行かなかった。わずか十日ばかりだが、政治は滞り、姚崇の偉大さを再確認させられた。

それ以後は、必ず、姚崇に相談し、物事を運ぶようにすると、嘘のように、うまく行ったそうである。そのため、この大臣は、自分で何も決められない“伴食宰相”と民衆から、からかわれるようになる。

確かに、姚崇のような人は、現代でもいる。肝心なことは、人間哲学が確立されていたからだろうと推定できる。判断基準が明確なのだ。すなわち判断が早いということは、判断の仕組みが確立されていて、それに情報が的確に入ってくるからだ。

そういう人物であれば、自然と情報を提供しようとする人が増える。それで更に情報力が増すのだ。そして、それは若い時から、ネットワークを張ることに努めてきたからだろう。

基本的に、いろんな所から情報が入るようにしている。一部の専門領域だけでなく、自分の仕事とは全く関係ない情報も、報告が入るようにしている。もちろん、下部組織の人々の情報も、いつの間にか、耳に入っている。

このように考えると、権力が情報を吸い上げるのは事実だが、それだけでは限界があることを意外とご存じない方が多いように感じられる今日この頃である。これからの大臣は、自らの見識と情報力を高め、決して伴食宰相にならないようにしてもらいたいものだ。

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