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2007年12月18日 (火)

上意下達

今回は、十七条憲法の第三に触れてみよう。基本的に上意下達(じょういかたつ)について述べている。一旦、上が決めたことには、従えとしている。ただ、その決め方は、第十七に記すように、独断で決めてはならないとしている。この辺は、当時の聖徳太子の苦労が偲ばれる。現代でも、組織を動かすには、一定のルールを守らなければ、うまくいかない。

三に曰く、

詔を承りては、必ず謹め。

君はすなわち天なり、臣はすなわち地なり。

天覆い地載せて、四時順(めぐ)り行き、万気通ずるを得。

地、天を覆わむと欲するときは、すなわち壊を致さむのみ。

是を以て、君言えば、臣承り、上行えば下靡く。

故に詔を承りては、必ず慎め。

慎まずんば、自ら敗れむ。

それでは、流風なりに、現代風に解釈してみよう。

まず、「詔を承りては、必ず謹め」は、トップの裁可の下ったものに対しては、いかなる理由があろうとも、従わなければならない。トップの決めたことを十分理解し、それに基づいて実行しなければならない。

「君はすなわち天なり、臣はすなわち地なり」とは、例えると、立場的に、トップは天で、部下は地である。

「天覆い地載せて、四時順(めぐ)り行き、万気通ずるを得。地、天を覆わむと欲するときは、すなわち壊を致さむのみ」は、天は、上から覆い、地は万物を載せて、万物は、自然の法則にのっとり、全てのものが、正しく巡っていく。天は天の立場と役割があり、地には、地の立場と役割がある。それぞれの立場と役割を尊重しなければならない。その法則を破って、地が天を覆おうとすれば、全てが壊れてしまう。

「是を以て、君言えば、臣承り、上行えば下靡く。故に詔を承りては、必ず慎め。慎まずんば、自ら敗れむ」は、結論として、トップの命令には、部下は素直に従い、その意向に沿って、行動しなければならない。トップが実行すれば、部下の者も、これに従わなければならない。トップの命令に叛けば、結局、自らを滅ぼすことになるだろう、と。

結局、ここで述べられていることは、最初に述べたように、トップの決裁に至るまでのプロセスは、部下との十分な協議やコミュニケーションが必要であるが、決定したことには、部下は従わなければならない。そうしないと、組織が保たれない。

こういったことは、組織人としては、当たり前のことだが、現在でも、決定したことに、色々言う人はどこにでもいる。もちろん、状況の変化対応は大切だが、それに対応するにしても、きちんとプロセスを経由して、皆が納得するようにしなければ、部下が独断専行すれば、組織の絆が崩れ、無用な混乱を引き起こすことを、理解しておかなければならない。

このように、十七条憲法は、現代人にも、大切なことを示唆してくれる。

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