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2008年1月11日 (金)

松下が消える

戦後、バブルの頃から、企業が積極的に企業名を変更し、カタカナにする例が目立った。それ以前は、会社名を聞くと、何をやっている会社か、わかったものだが、現在は、わかりにくい会社が多い。社名だけでは、ピンとこないことが多い。

それほど、企業の事業内容が多様化し、社名で語れなくなったということなのだろう。ある意味、何をやっているかわからないという、ぼやけたイメージは免れない。仕事が分散しすぎて、本来の力を発揮していない企業群も多い。経営者は、常に大きくしなければならないという恐怖感に襲われているのだろう。

ただ、グループ企業トータルで見れば、規模は大きくなっているのであろうが、無駄な贅肉の多い組織になっている場合も多い。もちろん、情報化によって、スリムになったと主張する経営者もいるだろうが、人材も含めて経営の質という面では、落ちている企業がほとんどだろう。

しかしながら、縁起をかついだのか、えべっさんの日に、関西の老舗大手総合電機の松下電器産業も、ついに、社名とブランドを「パナソニック」とすると発表した。

ブランドを、いろんな理由から、国内は「ナショナル」、海外は「パナソニック」として、国内と海外を名前を便宜的に使い分けていたが、最早、そういう時代でないと、トップが判断したのだろう。この企業の場合、ブランドを統一したことは評価できる。

しかしながら、社名として、「パナソニック」が適当かは、微妙である。関西在住の人間としては、何か寂しい感じがするのは、流風だけではないだろう。松下幸之助氏の影響は、この企業グループと関係なくても、皆多かれ少なかれ、影響を受けている。会社がなくなるわけではないのに、あの「松下」がなくなるのかという感じを受ける。

「トヨタ(トヨタ自動車)」や「ホンダ(本田技研工業)のように、「マツシタ」では、駄目だったのだろうか。

ただ、企業は、社会的存在であり、個人の名前を企業名に冠すのは、よくないという意見もある。かつて、本田宗一郎氏が、仕事では悔いがないが、社名を「本田技研工業」と「本田」の名前を冠したのは、誤りだったと、何かで語ったおられた。

しかし、確かに、理想としては、そうであっても、日本のアイデンティティーを残すためには、間違いではないと思う。本田宗一郎氏は考えすぎだろう。

「松下」の名前が消え、いずれ忘れられる存在となり、普通の企業になってしまうのは、本当に残念だ。経営者は大英断を下したつもりだろうが、決していいようには作用しないだろう。松下幸之助は、あの世で、どう思っているのだろう。

*2008年10月追記

2008年10月、「松下」は「パナソニック」と社名を変えた。しかし、この名前は変な感じだ。「パナ」という名前と「ソニー」が一緒になったイメージだ。ソニーの関連会社と捉えられてもおかしくない。

それに、多分、外部からは、「パナソニック」とフルネームで呼ばないだろうし、「パナ」さんとかと業者に呼ばれるんだろうな。それなら、思い切って、「パナ」にすれば良かったんだと思う。

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