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2008年2月28日 (木)

『四不』ということ

最近の色々な事件を見ていると、リーダーに心得がないのではないかと思われるフシがある。リーダーの選び方に問題があるのかもしれない。大事に臨んだ場合、どういう心がけをしなければならないのか、少し考えてみたい。

以前、曽国藩の『四耐』を取り上げたが、今回は、同じく彼の『四不』を取り上げてみる。四不とは、不激、不躁、不競、不随のことである。

一応解説すると、不激とは、大事を前にして、やたらと皆の前で興奮してはならないということ。人間、大事を前にすると、緊張も高まり、少しのことに反応して興奮しやすくなるが、それでは、正しい判断はできなくなる。

そうでなくても、あらゆる環境が心を乱すように仕向けるのだから、それに乗らないことが肝要である。周囲が興奮していても、どっしりと構えて、泰然としていることが大事である。それには、日常の鍛錬が必要だ。

不躁も同様だが、大事を前にすると、興奮して、ちょっとした変化にも、じたばたしがちである。しかし、そんなことでは成功は覚束ない。当初の志に基づき、冷静に対応することが求められる。まさに、こういった時こそ、平常心が求められるのだ。

不競とは、大事の前に、わずかな功名心に誘われて、徒につまらぬ競争をしてはならない。そんなことをして、組織を乱せば、大望が達成できなくなる。大事は何なのか、もう一度原点に戻って、功は他に進呈するぐらいの度量を以て、臨むのが宜しい。

不随とは、全てが決定していて、大事に臨む時は、率先垂範が望ましく、他の人の後からついていくというような無様なことは避けなければならない。最近は、リスク管理と喧しいが、勢いよく打ち込めば、意外と死なないものだ。

こわがって何もしなければ、道は開かれない。最初に打ち込んで、そうして初めて目的が達成される。もちろん、ある程度の見通しは必要だが。

彼の考え方は、人間というものをよく知っているということを示すものだろう。最近の指導者には、こういう心がけが足りないと思う。もちろんリーダーには、若干芝居がかったところも要求されることも含めて。心の鍛錬の仕方は色々あるだろうが、人間学をもっと極める必要があるのではないか。

*追記

ちなみに、故佐藤栄作元首相の墓碑銘は、「不拒、不追、不競、不随」だそうだ。トカゲの尻尾切りで、長期政権を保った人らしい言らしい。しかし、曽国藩の『四不』と、言葉の深みがまったく違う。

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