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2008年5月 6日 (火)

後期高齢者医療について

後期高齢者医療制度について、例によって、マスコミで侃々諤々やっている。流風は、結論としては、この制度は止むを得ないと思う。ただ、政府の告知の徹底が不十分だったことは否めない。小泉元首相時代に決まっていたのなら、なぜ今まで周知徹底を怠ったのか。問題は、その一点に尽きる。

この制度がなぜ必要かというと、現在の健康保険制度は、主として現役を対象としたものだからだ。今までは、その範囲内で、高齢者も面倒を見てきたが、少子高齢化に伴い、これまでの保険制度では、高齢者の面倒を見切れなくなったということだろう。

もちろん、このことはとうの昔にわかっていたことだが、長い間、御座なりにされていたのだ。国は国民に説明するのが下手すぎる。確かに、国民に負担を求めるのは、政治家にとって、リスクかもしれないが、それを避けたところで、何にもならない。きちんと受益と負担を説明すべきなのだ。それをやってこなかった与野党の政治の責任は重い。

だから、これは小泉改革とは、別次元のものである。一緒くたに悪意を以て考える人たちがいるようだが、それはおかしい。周知徹底ということを軽く考える官僚や政治家の力が落ちていることは憂えるべきことなのだ。

そして、今まで、後期高齢者がきちんと医療機関にかかって、予防に努めてきたかと言えば、それは疑わしい。病気になって、本人だけ苦しむのなら許されるが、多くの医療機関を煩わせることになる。

父だって、毎年の健康診断を怠ったから、病気の発見が遅れ、重大な事態になり命を落としている(*注)。ただし、医療機関を煩わせたのは半年程度だから、国にはあまり迷惑をかけていないかもしれない。もう少し、長生きして欲しかったが。

そうしない意味においても、掛かり付け医を設け、定期的で継続的な診断をしてもらうことは、大切なことで、延命治療も含め、無駄な医療費は削減できるのだ。

確かに、新しい仕組みにして困る後期高齢者は出てくるであろう。だが、その問題は、各自治体が別途手配して個別に救済すればいいことだ。そういう意味では、ある程度、地方に裁量権を国から移すことも求められる。国の画一的政策では限界があるだろう。

後期高齢者医療制度が全て悪いわけではない。根幹の制度として確立し、柔軟な地域判断ができる仕組みを作り上げれば、評価できるシステムになるだろう。マスコミは極端な事例を出して騒ぎすぎる。特殊事例ばかりつついても、政策のグレードアップはできない。政権チェックは必要だが、大所高所かつ、もう少し広く客観性に基づく報道が求められる。

*注

更に不運なことに、父の場合は、以前にも記したが、初期診療の誤診が病気の発見を遅らせている。そして、転院した病院での治療ミスが状態を更に悪化させている。最初診療したのは、中堅の病院。転院した病院は、独立行政法人の病院だ。この時は、医療の質が落ちていることを痛切に感じた。どんな医療機関に掛かるかは、一種の運と言えるかもしれない。

*追記

いずれ前期高齢者も、高齢者医療制度に組み込まれることになるだろう。そのことは、今後ますます高齢者が増えることから、前期高齢者、高齢者予備軍も覚悟が必要だ。

*平成20年7月13日追記

後期高齢者医療について、未だ結論が出ていないようだが、この件に関しては、野党の主張はあまり宜しくない。根本的な議論ではなく、枝葉末葉の議論で政争の具にしていると感じられる。早く結論を出して、野党は妥協すべきだ。後々の運用の問題で、事態を遅らせるべきではない。

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