« 後期高齢者医療について | トップページ | 助け合う組織文化 »

2008年5月 7日 (水)

権力の二重構造問題

おおよそ、権力者にとって、自分の領域を侵す権力者は認めない。もちろん、それは守らないと、自分の地位が危なくなるからだ。

例えば、信長・秀吉・家康にしても、最初はキリスト教を容認していたが、彼らがゼウスを主とするということがわかった瞬間から、禁止令を発布している。キリスト教は彼らの地位を脅かす存在と悟ったからだ。

歴史的に見ても、実際、宣教師は、その目的で布教活動をしており、奇しくも、彼らの直感は間違っていなかったことになる(*参考)。

また別の例では、秀吉は、最初、権力保持のため、利休を利用するが、利休が別の権力を持ち始めると警戒し、最終的には彼に切腹を命じている。秀吉にとって、自領域内において、別の権力者は、自らの地位を危くすると感じたからであった。

同様に、今回、騒いでいるチベット問題も同様であろう。一党独裁の中国共産党にとって、チベットのダライ・ラマというのは別の権力者に映っているのに違いない。

共産主義というのは、一つの宗教集団と言えないこともない。そう考えると、この国は政教分離していない。チベットも同様だ。その中で、チベットが新たな政教一致の権力を目指せば、そこに闘争は起こる。

もちろん、チベットに同情できる部分もある。清の時代は、チベット仏教は、帝自ら保護していたからである。中国共産党の政権になって、政策転換があり、それについていけないチベットの人々の思いもある。

また第三者から見ても、中国の統治の方法に若干行き過ぎたものがあったのではないかという疑いは残っている。

だが、よく言われるように、中国にとっては、歴史的に常に外敵との戦いであったから、他の少数民族同様、彼らが新しい権力を持つことを怖れているのも事実だろう。

いずれにせよ、体制内に二つ(あるいは複数)の権力は並存し得ない。単なる統治の問題としては、中国だけを問題視できない。ただ彼らは、行き過ぎを反省し、是正する努力を求めたい。

最終的には、可能かどうかは別にして、相互が政教分離をするしかないと思う。問題は単純だが、現実に解決は単純ではないかもしれない。根本を相互が理解しない限り、単に話し合いでは、平行性を辿るだけだろう。

*注1

一部の日本の女性は、キリスト教に対して好意的に受け止めているかもしれない。しかし、イメージとは異なり、キリスト教は侵略の手段であったことは歴史的事実である。キリスト教で信者を獲得し、手なずけて、彼らを先兵として、侵略するのは、彼らのやり方であった。

更に侵略先に対する差別感覚は大きい。実際、イエズス会は、五十万人という日本の子供たちを世界に奴隷売買として、船に積み込んでビジネスをしたのだ。秀吉は、それに気づき激怒し、信長に、キリスト教追放を進言している。

また、彼らは現在でも閉鎖的で、ミッション系スクールにしても、彼ら信者以外は、教師にしない例も多い。彼らの意図するところと異なる人物は教師として招きたくないのだ。彼らの目的が、現在では、さすがに国家侵略とは言わないが、ある意味、経済的にも、文化的にも「侵略」の意図を捨ててはいないだろう。

現在でも、社会奉仕として貢献しているように見せかけているが、それはイメージ戦略に過ぎない。キリスト教のイメージ戦略に騙されてはいけないだろう。彼らは、あくまで自分たちだけが正しいと思う一神教なのだから、日本文化には本来馴染まない。

*注

ここでは、本来的な「二重」という意味で使っていない。複数の権力が、現在の一つの権力構造下に存在し、それが権力闘争に発展する可能性を例えている。

ただし、下位の勢力が伸長し、実質権力を有するようになって、上位の権力を奪取する場合は、本当の二重構造だ。それは戦国時代、下剋上と呼ばれている。

*平成21年9月4日追記

現在、民主党政権における「権力の二重構造」について、マスコミが囃している。どういうわけか、拙ブログの、この記事に対しても、アクセスが急増している(笑)。

ただ、民主党政権においては、政府と党の代表が機能的に分かれているわけで、そこには、権力の二重構造は発生しない。問題が起こるとすれば、越権行為をした時だろう。

しかしながら、この時期に、問題提起するのは、早すぎる。マスコミが、囃すのは、アラ探しの感を否めない。多分、これらの記事を書くのは、反民主党的な報道関係者が多いからだろう。

ただ、民主党内の問題ではなく、社民党等と連立を組んだ場合の運営方法を誤れば、確かに、権力の二重構造問題が発生する。これは民主党としても、警戒しなければならない。

それにしても、自民党政権にすり寄っていたマスコミ(読売、産経、日経)は、今後どうするのだろう。自民党の復活は、最早あり得ないし。まあ、彼ら新聞社は、適当な時期に、転向するのだろうか(笑)。

もちろん、政権発足して、半年ぐらい経てば、権力チェックの役割はマスコミに求められるのは確かだ。それまでは、わいわい騒ぐこともあるまい。旧政権の担当記者や自民党系政治評論家の慌てぶりを露呈させるだけだ。

|

« 後期高齢者医療について | トップページ | 助け合う組織文化 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 後期高齢者医療について | トップページ | 助け合う組織文化 »