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2008年6月 6日 (金)

灘五郷散策

神戸の灘といえば、お酒の産地でもある。ワイン・ロードならぬ酒ロードを歩くと、お酒のいい匂いがする酒蔵が並んでいる。独特の街並みだ。確かに震災で被災し、古い建物は少なくなったが、それでも、ここは酒蔵だという雰囲気を持っている。

お酒の方は、ほとんど駄目な口だが、この雰囲気はいい。時々、沿線を散歩する。何かキャンペーンをしている時は、多くの人々がぞろぞろ歩いている。皆、楽しそうだ。各所で試飲もできるしねえ。

ところで、西宮から神戸にかけての酒の生産地を灘五郷という。だから、神戸市だけではない。その灘五郷とは、今津郷、西宮郷、東郷、中郷、西郷を五箇所を指す。これらの地区での酒の醸造は、室町時代の中頃から始まったとされる。海運業が発達した江戸時代には、「灘の生一本」として、江戸に大半が送られた。念のため、地域を示すと、次のようになる。海側を走っている阪神沿線に近い。

  今津郷 :今津、鳴尾、西宮浜新田

    西宮郷 :西宮

  東郷  :深江、青木、魚崎、住吉

  中郷  :御影、石屋川、東明、八幡

  西郷  :新在家、大石、岩屋、味泥

これらの地区で、酒の醸造が栄えた理由は、いわゆる酒に適した「宮水」の発見が指摘される。淡水と海水の境目にある水が、酒に適した水質になっているという。

市内の某所では、「宮水」を有料で販売しているが、確かに美味しい。多くの人は、珈琲用に水を買いに行っているようだ。珈琲店なども、宮水使用としてアピールしている。流風は、よくわからないが、皆さん、美味しいといって、評判はいいようだ。

次に、指摘される要因としては、良質の酒米の入手が容易だったことがある。摂津や播州は米どころだし、大阪に近く、各地の米も選択して入手できたことも大きい。現在でも、県下の酒米専門の農家から「山田錦」などを入手している。結果的に、この地区のお酒は、本来辛口と言われているようだが、山田錦を使った純米酒は、まるでワインのようになめらかだ。

さらに米の加工技術が向上し、量産できるようになったことが指摘される。現代的に言えば技術革新が起こったのだ。それは主として水車の稼動だったという。いつの時代も、技術革新があると、産業が飛躍的に拡大する。お酒もそのようだった。

そんなことにいろいろ思いをはせながら、久しぶりに酒蔵でお酒でも買うとしようか。せいぜい720ミリリットルのビン入りで、なかなかなくならないのだが(笑)。

*参考文献

『灘区の歴史』(灘区市役所まちづくり推進課)

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