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2008年7月28日 (月)

出世主義は悪いか

最近の若い人は、なかなか前に出ようとしないらしい。自分が前に出ることを警戒しているのかもしれない。もちろん、先に前に出れば、いろんな困難があるかもしれない。そういうことで、安全運転を志向しているのかもしれない。

そういうことを考える上で、『葉隠』で、山本常朝が大切なことを言っている。それは次のようだ。

「名利を思ふは奉公人にあらず、名利を思はざるも奉公人にあらず」(旧仮名遣い)

言いたい趣旨は、次のようなものであろう。

「やたら出世主義に走る奉公人には困ったものだ。しかし、立身出世を考えない者も、また困った者である」。

これは具体的には、何を言おうとしているのだろうか。

凡そ、立身出世主義者は、どうしても、自己の利益中心主義になりがちで、会社の利益より私益を重視しがちになる。目前の利益を重視し、長期的視野が欠け、辛抱強く目立たない仕事を避けたがる。それは組織にとって、必ずしもよい影響をもたらさない。

しかし、その一方で、与えられた仕事をこなすばかりで、保守的な仕事振りでは、日々の進歩もないし、やがて、それは惰性になり、不満が募るだけである。それは組織の雰囲気を微妙に悪化させていく。

そう考えれば、そのような人間より、むしろ、立身出世主義者を正しく導く方が、組織にとって望ましいかもしれない。つまり企業目標が明確で、組織に対する基本的な忠誠心があれば、出世主義のエネルギーを新しい試みにぶつけさせて、働き甲斐を感じさせることが、企業に活力をもたらすことになる。

山本常朝の指摘は、的を得ているだろう。前に出ることを嫌がってはならないし、前に出る人たちを非難することも望ましくない。ただし、そのためには、適切な指導とコミュニケーションの充実が望まれる。

*追記

ちなみに流風は、若い頃、前に出すぎて、それは大変だったことを思い出す。それが良かったのか、悪かったのか、未だにわからない。ただ、常朝も言っているのだが、あまり早い出世は、本人にも、よくないだろう。出世主義はよいが、出世のスピードは、ほどほどが宜しいということになる。抜擢人事も、全体の人事バランスを考えて、行う必要があると考える。

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