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2008年8月21日 (木)

雨に濡れる女人

  鶯の 花をぬふてふ 笠もがな

      ぬるめる人に きせてかへさむ

最近の雨は、急に降り出すので本当に困ったことだ。先日は、傘の準備をしていなくて、びしょ濡れになってしまった。軒で雨宿りしようかと思ったが、生憎適当な場所がない。少し行くと、小さな店の軒先で女性が濡れながら雨宿りしていた。とても一緒に雨宿りできるようなスペースではなかったので、結局、濡れながら帰ったのは少し残念(笑)。本当に大変な一日でした。

さて、先に挙げた歌は、『伊勢物語』にあるものだが、女の人が後宮の凝華舎から雨に濡れて退出する姿を見て、ある男が詠ったもの。梅の花笠があれば、あなたにお着せして返しましょうものに、というような内容。凝華舎の中庭には、梅が植えてある所から出た発想で、鶯が花笠をつくると云われているところから創作しているようだ。

それに対して、女の返歌は、次のようだ。

  鶯の 花を縫ふてふ 笠はいな 

      思ひをつけよ ほしてかへさむ

まあ、笠などはいいですから、あなたの思い(“火”をかけている)をつけてくださいよ。そうすれば、濡れた着物を乾かして、あなたへの思いを返しますよ、と返している。

裏読みすれば、あなた、また私に雨をネタに私にちょっかいなどかけたりせずに、本当に私のことを思ってくださいよ。そんな気もないくせに、というニュアンスだろうか。女性の歌の方に技ありというところかな(笑)。

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