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2008年9月 6日 (土)

首相の条件

首相の条件は一体、どのようなのだろうか。かつて自民党は、有望議員に、主要大臣等(旧大蔵大臣、外務大臣、党幹事長)の要職を経験させて、首相になりうる人材を育ててきた。そのようにして、内外に通用する議員を育成したのだ。それは今でも意味があるだろう。

ただ最近は、そのような意識は薄く、誰をどのように育成していくのかの指針もないようだ。今回の総裁選にも、大した実績もないのに、あまりに多くの政治家が立候補しており、節操がない。結局、リーダーの人材育成を怠ったことが、こういう事態を招いている。これは自民党の衰退を意味し、自業自得ということかもしれない。

さて、それでは、首相になるには、どのような条件が求められるのだろうか。

一、首相は与野党を超えた存在であることを理解していること。

たとえ、与党から選ばれようと、首相は、国を代表していることを忘れてはならない。そのためには、野党からも、一目置かれ尊敬できる人物であることが求められる。

二、基本的な信念・政治理念などの考え方にブレがないこと

信念が強くないと、いろんなことを即時決定できない。意思決定の基準が明らかであれば、迷うことはない。

三、経済及び外交で重責(大臣)を担った経験があるか。

国内経済や外交問題に知悉していないと、首相の役割は難しい。国内景気と海外動静とのバランスを取る嗅覚が求められるので、官僚任せでは、リーダーシップは発揮できない。

四、国内選挙を指揮して、勝利した経験があるか。

民意を背景とした政権は強い。選挙で勝った経験があれば、厳しい場面でも乗り越えられる。

五、政権を握った場合の、首相の意を理解して、手足として動いてくれる表のスタッフと(変な意味ではなく)裏のスタッフが整っていること。

政治はある意味、灰色で、ドロドロしている部分がある。それをうまく捌くには、表向きの野党との折衝だけでは必ずしもうまく行かない場合がある。

六、副首相を三名指名できること

日本の内閣の仕組みは、首相の負担が大きすぎる。そのことを理解して、分業の発想ができることが望ましい。そのためには、副首相の指名が求められる。そういうブレーンを日々養っているか。

   第一副首相 外交、防衛担当

   第二副首相 金融、財政担当

   第三副首相 国内経済担当

このように見て来ると、与野党に適任者はあまりいない。自民党は人材を育成していない。仮に今からスタートしても、人材が育つのは十年後だし、政権を手放せば、それも難しくなる。

他方、民主党は、政権を握ったことがないので、小沢氏以外適任者はいない(*注)。民主党は、政権を握って、「吉田学校」ならぬ「小沢学校」を創れるかが、民主党の将来を決めることになる。

人材育成は、あらゆる分野で重要だと、改めて認識させられる。

*注

ただ、小沢氏は、ディベートが弱く、誤解されやすいので、首相には不向き。そうかと言って、裏の仕事をやっても、性格上、ついつい口出ししてしまうので、鳩山政権を混乱させた。また彼はリアリストだが、却って、それが、政治音痴のマスコミや一般国民から、なかなか理解されない。

政治とカネの問題で追及されたが、悪い奴ほど直接、手を汚さない。大連立の失敗で、某大新聞の意趣返しが、西松建設問題だろう。結果的に、時代のエアポケットに嵌ってしまったのは、少し残念だ。

彼の能力を活かせるポジショニングが何なのか。難しい問題である。例えば、与野党を超えた「政治家育成塾」の塾頭とか、外交で活かせないものか。

*平成22年9月7日追記

小沢氏が、民主党代表選に出て、管首相と争っている。やっと表舞台への意欲を示した。陰でやることが不評なのだから、表舞台で活躍すればいい。それは首相でもいいし、外相でもいい。小奇麗だが、頼りない官僚タイプの議員では、何もできないだろう。彼らの意識を変えさせることも彼の役割だ。

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