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2008年10月19日 (日)

マンションの価値と住宅新時代

都市部において、マンションが売れ残り、価格が下落しているらしい。東京圏を中心に都市部でミニバブルが生じていた。しかし米国のバブル崩壊に伴い、国内不動産会社も破綻の憂き目にあっている。そのため、マンションが見切り売りされている。その結果、価格が暴落していることのようだ。

しかしながら、家賃相場は今のところ、そんなに下落していない。それからすれば、マンション価格は、正しい価格に調整されているといえる。マンション業者が設定した価格が家賃相場と乖離し、ブームに乗って異常に高く設定されていたと推定できる。

ところで、マンションの価値について、どのようにお考えだろうか。

まず、言えることは、マンション市場の変化は、購入者の購買行動の価値観の変化がある。以前はマンションは、一戸建てを買うまでの第一段階と考えられていたが、マンションの転売価格が、購入価格を下回るようになってからは、そのような行動を取れなくなった。それゆえ、マンションが終の住まいになっているようだ。

他方、マンションをローンを組んで借金して、わざわざ購入する時代ではなくなったとも言える。ローンを組むぐらいなら、借りた方がましなのだ。仮にマンションを買っても、それは、「修繕費の負担が上乗せされた賃貸の家賃の先払い」という見方ができる。これは考えようによっては、一般賃貸より割高(*注)だ。ということは、家賃が高くなるインフレ時の場合を除いては、経済的メリットは薄いということになる。

さらに、マンションは、まだ実験段階にあり、どれくらいの寿命があるか保証されていない。それゆえ、その価値は、まだ未確定だ。30年と言う人もあれば、50年くらいは大丈夫と言う人もいる。ただ、それは建設業者によって、寿命が違うような気がする。

また、管理会社のメンテナンス意識によっても、それは違うだろう。修繕計画のでたらめなマンション管理会社は依然として多い。マンション購入時の修繕積立金が異常に少ないのも気になる。販売業者の売らんかな、売りっぱなしの傾向を反映している。結局、追加の一時修繕負担金が必要になり、家計計画が狂ってくることもあるだろう。

更に、その品質面に関しては、建設時期によっても、それは違う感じだ。まず、1981年の建築基準法改正前のマンションは、相対的に価値が低い。大震災があれば、倒壊の可能性が高いからだ。中古のマンションであれば、それ以後のものに基本的価値がある。ところが、それがわかっていない購入者も多いようだ。いくらリフォームしても、外見的にはきれいになっても、基本的な構造に問題があれば、その価値は低いはずだ。

ついでに言えば、1981年以後のマンションで、バブルの頃に立てられたマンションは、意外としっかり建てられており、価値が高いと言われる。それに比べて、最近のマンションはデザインはいいが、やたら広い部屋が多く、設備は最新の物を採用していても、見えないところでの手抜きマンションも多いという。もちろん、それは全てはそうとも言い切れないかもしれないが。

結論的には、マンションは、相対的価値が低くなると見てよいだろう。今後の住宅需要は、現役時代はローンでマンションなどの家を買わず、相続不動産が無ければ、定年近くになって、地方都市の一戸建てを現金で買う時代かもしれない。もちろん、それまでに土地の手当てとか、土地勘は養っておく必要があるかもしれない。

都市部のマンションは、借りるためのものと割り切る人は増えそうな気がする。中古マンションを活用した賃貸ビジネスが流行るかもしれない。また部屋の広さも、ワンルームマンションではなく、ファミリーマンションタイプの賃貸が主流になるかもしれない。

国は、そういう人たちのための住宅政策が望まれる。また地方も、元住民が都市に出てしまって空き地・空き家になっている所を積極的に関与して、都市住民が入手できるように、不動産が有効活用されるような方策を取るべきだろう。

*注

もちろん、借りる側も、修繕費が実質家賃に含まれている(名目では、含まれていない)が、それは一応短期的なのに対して、マンションの所有は、いつまで所有するかわからないのに、売却するまで、修繕費の負担をしなければならない。

*追記

ちなみに都市部の高層億ションと言われるものも、価値はそんなに高くないと思われる。基本的に、その価値は錯覚に過ぎない。そんな金を出すなら、ホテルに住んだ方が快適だろう。

*追記

そもそもマンションの価値に疑問を持ったのは、阪神・淡路大震災を経験してからである。マンションは共同住宅の宿命とは言え、実質、個人の自由にならないことを再認識させられたのだ。一戸建てであれば、土地があるので、個人の判断で再建が可能だが、マンションでは、それが簡単にいかない。

あの震災で倒壊したマンションは再建の合意をするのに非常に手間取ったと言われる。特に合意形成に、高層マンションは最悪だ。そういう意味を含めると、少しましだということで、今後は中低層のマンションが価値を持つだろう。

*追記

高層マンションにはいろいろな弊害がある。神戸は震災後、人口を増やすために、高層マンション建築を容認したが、それは景観を著しく損ねている。そのため、海側から見ると、六甲山が十分に見ることができないケースが出てきている。そして、その結果として、神戸の価値・魅力を落としている。

また神戸市の政策は誤まっている。人だけ増やしても、税収は増えない。将来、新たな負担が増大するだけである。人は産業と共に招かなければ、それは有効な政策ではないのである。

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