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2009年2月28日 (土)

輸出企業は経営者を変えろ

関西の某家電大手の2009年度のスローガンは、「打って出る!」だそうだ。しかし、あまりにもタイミングよく、リストラ15000人とは、恐れ入った。中国でも、リストラで問題になっているようだ。もう、どの会社か、お分かりですね(笑)。

この会社の創業者は、リストラしないことで有名だったが、企業規模が大きくなりすぎて、そういうことはできなくなったのだろうか。それとも、創業者の遺志は無視され、欧米風の経営になってしまった結果だろうか。この会社も、普通の会社に成り下がってしまったのか。

確かに、あのグリーンスパンが、「百年に一度の危機」とか言ったため、それが流布されているようだが、経営者が見通しを誤ったことの言い訳に使うのは、感心できない。もちろん、グリーンスパンの言い回しに、多くの人間が騙されたのは事実だろう。そう考えれば、今回の急激な環境変化は、確かに完全に無傷な企業はないかもしれない。

しかしながら、彼は、既に危険を感じて退任しており、相当前から、危機は予測されていた。それを注意深く観測しておれば、危機に対する準備はできていたはずだ。だが、経営者は、初めて聞くが如くに、驚愕し、対応に追われている。

かの創業者は、「人を残す経営」をやっていたが、今の経営者は、目先の利益に捉われて、真の利益の出し方がわかっていないのだろう。数字を機械的に追いかけるから、中身のない経営になる。非正規労働者を過剰に使い、人を育成せず、モノ扱いするから、「人」というものが見えなくなっている。

ある経営者も言っていたが、非正規労働者の活用により、社員のモノづくりに対する改善運動が停滞しているという。モノをただ機械的に作って、不良品はなぜ出たかも追求せず、捨て置かれるという。コストだけ見て、非効率は御座なりにされる。

そういうと、車のリコールの多さも気になる。日本のモノ作りが揺れている証拠だ。以前、別の大手の家電メーカーの洗濯機を買ったが、明らかに製造ミスだった。すぐに交換すると言うことだったが、交換すれば、それでいいというものではないだろう。そして、その型式はいつの間にか、売り場から消えている。

日本の製造業は、その原点に戻り、人材を育成し、その成長以上の、企業の成長を求めないことだ。そんなことをすれば、国際競争に打ち勝てないというかもしれないが、日本の製品は、それはきっちりした日本文化が織り込まれてこそ、その価値が認められる。

何も発展途上国と価格で競争することだけが生きる道ではなかろう。国内では、付加価値の高い商品作りを目指し、海外では、その国の発展段階に合致した低価格の商品作りをその国で生産することが大切だ。

もちろん、多くの輸出企業は、そういう態勢が出来ているにもかかわらず、円高で大騒ぎし、国に景気対策を強く要望するのは明らかにおかしい。企業の国際戦略をはやく整備して、人を中心とする経営に力を入れるのが当然の姿ではなかろうか。

米国の新自由主義に乗っかって、過大に輸出した結果が、現在の大企業の実態だろう。そのための雇用調整で、多くの労働者が被害を被っている。もっと地道な経営姿勢に戻り、日本企業として、あるべき姿を、投資家をはじめ、多くの利害関係者に示すべきだろう。

大企業経営者には、今、大きな意識転換が求められている。そのためには、経営者を総入れ替えすることが大切だろう。過去の成功体験が、自己改革を阻害していることを、新自由主義経営をしてきた人々は悟り、身を引くべきだろう。

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