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2009年3月24日 (火)

公務員の天下りを考える

天下り問題で、いろいろ揉めているが、なかなか難しい問題である。原因をわかりやすく考えると、問題点は、次のようかもしれない。

 一、年功序列体系による、上位ポストの限界があること

 二、一般的に、公務員は、天下りさせても、天下り先で役に立たないということ

一については、民間の会社でもそうだが、上位のポストは限られる。上位ポストの獲得に失敗すれば、後輩の部下ということもありうる。民間企業では当たり前だが、官庁は、そういうことを許さない雰囲気があるのだろうか。すなわち、先輩、後輩の関係重視の風潮があるのだろう。

そこで、出世競争にある程度、先が見えてくると、競争に負けた人材は外部に転出される。転出時年齢は、定年まで、まだ時間があるため、実質「引退職」として、天下り先をあてがわれるということのようだ。

二については、大会社や銀行でも、そういう天下りに似たような慣行はある。今は、なかなか難しくなったが、それでも、得意先の企業に人材を押し付けられることもあるだろう。大企業の場合は、かつて天下りとして、中堅・中小企業に天下った。だが、その人材が能力があればいいが、往々にして、天下り先企業では役に立たないことが多い。

公務員も同様で、民間に天下りさせても、公務員での専門の経験は豊富でも、それはマクロの問題処理に通じているだけで、企業というミクロの問題処理には通じていないから、結局、役に立たないことが多い。企業側としては、こういう人材を押し付けられると、実質コスト負担が増す。そこで、人材を天下りさせる側は、受け入れ先の負担を軽減するために、ヒモ付き物件を随意契約で回すということになる。それは先輩の面子を立てるためでもあろう。

しかしながら、それは、ある意味、税金の無駄遣いでもある。それは回した仕事に、天下りの人材の人件費を上乗せさせるからだ。そして、彼らが実際、仕事をやればいいが、やるとかえってややこしくなるので、受け入れ先も、何もやらせないということになる。

結局、出勤は滅多にせず、様子を見るためと称して、時々、企業に行くだけぐらいだろう。これが天下りの実態だろう。だが、公共投資が減った現在、受け入れている民間企業も減っている。そこで、特殊法人や独立行政法人という、官庁の「子会社」(*注1)を作って、そこに押し込んで、同じことを繰り返している。

しかし、本当にそれでいいのだろうか。能力のある人間が、仕事もせずに俸給を受け取って、その人にとって、有為な時間が過ごせるだろうか。彼らも後輩たちに、延々、馬鹿にされているようにも思える。それでは、天下りをなくすためには、どうすればいいのか。

基本的に、定年まで勤めてもらうのがいい。官庁でも、いつまでも年功序列を続けるのは無理がある。それには、まず、ピラミッド組織を改変する必要がある。要するに、フラットな組織だ。中間管理職をなくして、組織トップと平の職員が直結する組織だ。

本来、公務員は、国民のスタッフであるから、サービス対応にスピードが加わらなければならない。それには、ピラミッド組織では、対応が遅れる。それに機敏に対応するには、フラットで、多様な役割が分業することが必要だ。

そうすると、課長は多く必要になり、トップの次官にならなくても、それなりの地位は確保されることになり、天下りで追い出さなくても、人件費が増えないように俸給体系を改めれば、定年まで勤めさせることが可能だ。

基本的には、中間管理職をなくして、人件費を浮かせることだ。情報化が進展した結果、中途半端な調整職は不要だ(*注2)。トップと平が直結する組織が望まれる。それでも、年下の管理者の下に、年長の部下ということはありうるが、それは薄められる感じがする。

天下りは、単に国家としての経費のムダと言うことだけでなく、人材を十分に活かせないということを招く。天下りさせるほど人材が余っているわけでもなかろう。彼らには、皆、官庁にとどまって、もっと仕事をしてもらいたいものだ。要するに、定年まで人材を活かす発想が官に求められる。

*注1 官庁の「子会社」はなぜ作られるか

天下り先としての必要性とは別に、単年度予算での限界をまかなう、官の「へそくり」機能もあると、見ている。

*注2  中間職の排除

組織を改編して、中間管理職をなくせば、人件費の相当額が浮く。それは地方の小さい組織で実験済みであり、民間企業でも同様な結果が出ている。官庁組織も、そのように改めるべきだろう。基本は、人件費削減と、国民サービスへのスピード対応だ。組織をフラットな組織にするだけで、それは可能だ。

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