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2009年3月 2日 (月)

景気対策に必要なことは、金融制度・運用システムの再見直し

昨年の9月から12月までの、GNPが、マイナス12.7%だったと大騒ぎしていたが、もっと冷静な観察が必要だ。日本の国内景気対策は、なかなか難しいものがある。現状の政府のいかなる政策も、その有効性は疑問視されている。それは、根本的な問題にスポットを当てたものでないからだろう。

日本はバブル崩壊後、海外より金融システムの変更を強制されたが、現在は、それを見直しする必要があるのではないか。もちろん、当時、そのような規制も必要だったかもしれないが、現在では的外れなものも多い。

その結果、基本的に、金融が機能せず、資金循環がおかしくなっていることが、日本の内需の不況感を強めていることを忘れてはならない。国際協調が必要だからと言って、国益に反するようであれば、改められなければならない。

まず、BIS規制は、本当に必要なのだろうか。確かに日本の金融機関は、当時、自己資本比率は低かった。それは時価会計ではなく、簿価会計であったことが大きく影響していた。簿価会計は、自己資本比率以上に、含み資産をベースに、安定的な経営を可能にしていた。

それを日本の経済発展の基礎だ思った欧米諸国は、彼らと同じ基準にすることを求めたのがBIS規制であろう。表向きは、要するに、同じ条件下でのフェアな競争を求めたとされる。しかし、その実は、日本の経済発展を疎ましく思ったからと言われている。

この規制を受け入れて、日本経済はおかしくなったし、そして、それが回りまわって、欧米経済を破壊している。欧米の自業自得と言えばそうだが、そうだからといって、いつまでも、この仕組みを放置していてよいのか。

確かに、簿価会計は、含み資産に頼る結果、革新的な経営を損なうが、銀行のような金融機関のように安定的な資金提供が求められる機関に対しては有効であったと思う。海外の金融機関は、それを苦々しく思っていて、日本に同じ土俵を求めたのが、時価会計の導入であったと思う。

繰り返すが、これらの革命的会計方法の変更は、日本経済に、金融という血が順調に流れなくしてしまった。多くの銀行の縛りが、融資を妨げ、いわゆる、経済の動脈硬化を促してしまった。もちろん、企業に資本市場に上場させ、資金を直接調達する道を開かせさせたが、全ての企業が上場できるわけでもない。

銀行自体も、融資ではなく、投資で収益を上げようと行動した結果、大きく傷を負っている。それは海外の銀行の程度が大きいが、日本の銀行も投資の失敗が目立つ。本来の金融機関の使命を忘れた結果が、今の状態と言えるだろう。これは日本の産業基盤を損なうものだ。今こそ、経済活動の長期的視点に立って、国際金融システムの再変更が求められる。

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