« 女性がきれいな理由 | トップページ | 器用な人とマムシ爪 »

2009年3月12日 (木)

時価会計から簿価会計に戻そう

株価が相変わらず低迷している。これは予想の範囲だが、ややピッチが早い。そして、現在の株価は、日本の企業の実態を表しているものでは必ずしもそうではないということを押えておかなければならない。

確かに財務内容の悪い企業もあるが、多くは健全な企業だ。株価が悪化している、ほとんどの理由は、欧米の金融上の問題だ。日本株を処分せざるを得ない状況に追い込まれているのだ。

だから、政府がいかに株価対策をしたところで、株価は上昇しない。無駄に買い支えしたとしても、株のナンピン買いと同じで、下落場面では、株価上昇に、ほとんど機能しない。

だから、底値を見届けてから、株価対策するのならいいが、現状、メリットはない。その見極めは難しいが、それは欧米金融市場がそれなりの対策を打った時と言える。

つまり、彼らも、全ては金融の仕組みの見直しをしない限り、株価は下落していき、金融恐慌から脱することはできないだろう。もちろん、限界まで来たら、ユダヤ資本が動き出すかもしれないが、あまりそういうことは期待しない方がいいだろう。そういうことに気づいたのか、米国では、時価会計の見直しの機運が出ているようだ。

そして今後のことを考えると、日本も会計制度の見直しが至急必要だ。このことは3月2日付、拙ブログ「景気対策に必要なことは、金融制度・運用システムの再見直し」でも触れた。

会計の専門家ではないので、そういうことが可能かどうかわからないが、時価会計から簿価会計に戻すことが、現在の困難を脱する一つの方法に思えて仕方ない。会計屋は建前で反対するが、最早、そういうことを言っておれない経済状況だろう。

生前、父は、簿価会計を時価会計に変えることの懸念を盛んにしていた。「確かに、理論上は、どちらにも長所があり、短所がある。全体としてみれば、問題がないように見える。客観的に見れば、どちらがよいか迷うだろう。だが、日本人には、時価会計は馴染まないだろう」と言っていた。

今にして、思うのは、父の危惧が当たってしまったような気がする。時価会計だと、目先だけ見ているジェットコースター経営になる。だから、経営者自身が、目先ばかり見て、当座の利益ばかりに目線を当てていたら、経営を大きく誤まる可能性がある。つまり、常に危機的状況にありながら、将来を見据える経営をしなければならない。そんな芸術的経営は、全ての経営者ができるだろうか。

つまり、時価会計では、今、視線を見誤れば、即、経営は悪化する。つまるところ、綱渡り経営なのだ。そのような状況で、未来など見据えることなどできようか。目先の経営で精一杯だろう。結局、経営者は、自分が在籍している時のみ、好業績で、後のことはどうでもいい、という意識になる。

簿価会計では、含み資産によって、危機の緩衝帯として活用できるので、長期的視点で経営にあたれる。今問題になっている雇用に関してもだ。時価会計では、そんなことは出来ない。国際市場でビジネスするためには、本当に時価会計も止むを得ないのだろうか。

だが、皮肉にも欧米企業も、時価会計で苦しんでいる。時価会計は、米国が推し進めた新自由主義の産物であるので、いまや、それが崩壊したのだから、時価会計は止めるべきだ。

もちろん完全な会計制度などありえない。結局は、それを運用する経営者の姿勢で結果は決まるのは確かだ。けれども、今こそ、時価会計は見直しされるべきだろう。企業が設立された時に遡って、簿価に計算しなおして、含み益を計上すれば、相当の損失額を帳消しできるのではないか。

特に金融機関の経営安定は、景気に大きく影響する。政府は、いろんな小手先の政策をやるのではなく、この根本的な政策変更に各国と連携しながら、重点的にやるべきだろう。

*追記

米国ガイトナー財務長官が、G20に対して、GDPの2%の財政出動を要請するそうだが、意味のない話だ。ほとんどが焼け石に水だろう。沈む欧米の金融恐慌に対して、即効的な打つべき手はない。金融システムの見直しを急ぐ必要がある。

|

« 女性がきれいな理由 | トップページ | 器用な人とマムシ爪 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 女性がきれいな理由 | トップページ | 器用な人とマムシ爪 »