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2009年5月18日 (月)

晩餐の恩

食い物の恨みは恐ろしいというが、逆の話がある。昔の中国での逸話に次のようなものがある。

ある身分高い人が、晩餐に招かれた。もちろん、出てくる接待料理は豪華なものばかりだ。給仕が次々と料理を持ってくる。ある時、給仕が、それを、もの欲しそうな顔をしているのを見てとった。そういうことならと、気を配って、その者に、その料理を与えた。

当時、こういう習慣はない。周囲は、宴会の席で、下僕などに物を与えるなど、つまらない同情だと、嘲笑った。しかし、彼は、同じ人間なのに、ただ給仕するだけでは、その料理の味も知らず、かわいそうではないか、と気にしなかった。

時は流れ、国は乱れ、身分の高かった人は別の地に行かざるを得なくなった。知らない土地では、いろいろな苦難や危難があった。だが、そのたびごとに、誰かが助けてくれた。不思議に思っていたが、ある時、気になって調べたら、例の給仕していた下僕だった。

彼は、出世しており、それなりの立場にあったのだ。情けは人のためならず、というが、現代でも、このようなことはあるだろう。情理バランスと言われるが、情は、若干、理に優先する方がいいのだろう。

*出典  『世説新語』

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