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2009年7月 7日 (火)

のぞきはダメよ~謡曲『安達原』(上)

7月7日は七夕であるが、これは、織姫と牽牛(彦星)が一年に一回逢うという話で話す人が多いだろう。しかし、本来は、棚機というお盆の行事の一環と棚機津女の伝説が重なりあったものらしい。

つまり、棚機は、精霊棚とその幟を安置するのが、7日の夕方という行事と、日本の、水辺で機を織りながら、神の訪れを待つ少女の伝説と合わさったもののようだ。

だから、どうも織姫と牽牛(彦星)が一年に一回逢うというロマンティックなものとは、少し違うようだ。こういう話は、中国で始まった。ただ日本の伝説にしたって、神を待つ少女と言っても、その「神」は、多分、身分の高い男性だっただろう。実際、その子供を産むのだから。

そう考えれば、織姫と牽牛の話と重ねても、おかしくはない。要するに、遠距離恋愛。どこの国でも、同様な話はあるということだろう。それに、先祖を迎えるお盆の棚機の行事が重なっただけだ。いずれにせよ、結果的には、待つと云う行為には違いない。

さて、今回は、七夕の話ではないが、もう一つの機織り女の話に触れておこう。よく見てはいけませんとか、してはいけませんとか言われると、見たくなったり、したくなる。それが人間の性(さが)なのだろう。

それを抑えることは、大人でも、案外難しく、規制されると、余計にやりたくなる。人間社会では、それを法で制限しており、それを犯せば、罪を問われることになっているが、法を犯す者も絶えない。社会秩序を保つためには、大切なのだが。

童話でも、『鶴の恩返し』では、機織りしている娘は、織っている姿を見てはいけませんと言っているのに、結局、お爺さんとお婆さんは見てしまう。それでは、ここで、突然、問題。機織りしている娘の姿を見ようと、最初に言ったのは、お爺さんでしょうか、お婆さんでしょうか。子供時代のことを思い出してください(笑)。

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答えは、お婆さんですね。お婆さんがお爺さんにのぞきたいと言って、そそのかすのです。やはりお婆さんの方が野次馬根性が強くて、見たがりなのでしょうか。案外、男は、若い娘の言うことに従うかもしれません。

娘さんをお持ちのお父さん、如何です。ボーイフレンドのことを心配しながらも、意外と、娘の言うことを信じてしまう。そして、母親だけが真実を知っている(笑)。まあ、女性の母親の方が、カンが働いて、真実を知ってしまうのでしょう。

次回は、そういう、のぞきの場面が出てくる、謡曲『安達原』について、少し触れてみよう。但し、この題名は、観世流のもので、他の流派では、『黒塚』としている。

次回に続く

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