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2009年9月21日 (月)

海外に買い取られた美術品~『美しきアジアの玉手箱』を鑑賞

現在、神戸市立博物館で開催されている『美しきアジアの玉手箱』(シアトル美術館所蔵、日本・東洋美術名品展。平成21年12月6日まで)を鑑賞してきた。一般に、所蔵展というのは、総花的になりやすいが、この展覧会も、その域を出ないのは致し方ない。本来は、切り口を明確にして、テーマに基づく展覧会が望ましいが、海外に作品があるため、諸条件が厳しいかもしれない。

それにしても、海外に日本の多くの美術品が所蔵されているのは、嫌な感じだ。しかしながら、これは日本の側にも責任がある。日本は、基本的に「捨てる文化」なのだと思う。時代が大きく変わると、古いものを容赦なく捨て去る。その思い切りには、感心するほどだ。

明治維新後は、没落士族がたくさんの所蔵品を、二束三文で処分した。もちろん、彼らの経済状況からすればやむを得ない。だが、政府は、それらの文化遺産を守ろうとしなかった。極端な例では、お城だって、民間に払い下げしている。

最終的には、国が買い取った例もあるが、多くの文化遺産は、ほったらかしだ。それを見た欧米人で、美術に造詣の深い人たちは、タダ同然で買い上げている。それは戦後も同じだ。戦後は、戦前の華族の没落や農地法改正に伴う大地主の没落により、多くの美術工芸品が食糧に代えられた。

それらを彼らは、またタダ同様の価格で入手している。そして海外に流れている。ただ感心することは、それらの保管状態がいいことだ。彼らには美術品の価値を大切にする文化があるのだろう。それは感謝しなければならないかもしれない。彼らが所有しなければ、この地球上から、すでに失われていたと思える。

さて、この展覧会では、様々な作品が展示されている。ただ絵画、工芸品など、日本の作品だけでなく、中国、韓国、東南アジア、インドの作品もある。98点中、日本のものは、55点にすぎず、その他は、海外のものであるのは、物足りない。展覧会の趣旨だから仕方ないが、流風としては、今回は、あまり他国の作品には興味は惹かれなかった。やはりテーマがぼやけて、総花的展覧会の限界かもしれない。

*追記

『美しきアジアの玉手箱』(シアトル美術館所蔵、日本・東洋美術名品展http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2009_03seattle.html

なお、「鹿下絵和歌巻」は、期間中、ずっと展示されるが、「鹿下絵和歌巻断簡」に関しては、一部展示替えがあるし、展示期間も短い。大半は10月4日までの展示となっており、一幅は10月6日から18日までとなっているので要注意だ。また、これらは、国内所蔵分である。

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