« 部屋を清潔に保つこと | トップページ | デザインによる付加価値 »

2009年9月 7日 (月)

誰もが知っている“三本の矢”について

どの方もご存じの三本の矢は、毛利元就の遺訓と言われている。子供の頃、絵本にも、そういうものがあり、母が何回も読んでくれた。元就が臨終の時、三人の息子、隆元、元春、隆景を枕元に集め、諭した言葉とされる。

念のために記せば、それは、三人に、一本ずつの矢を渡して、それを折らせた後、三本の矢を一度に折るように命じた。ところが、誰も、それができなかった。それを見届けた上で、元就は、兄弟三人が力を合わせれば、一人でできないことも可能になる。そのようにして、毛利家を守り抜け、と言ったというものだ。

まあ、子供心に、力を合わせれば、一人でできないことは、できるようになるのだなあ、と感じたものだ。確かに、よくできた話だ。戦前の小学校の読本にも、載っているらしい。そのため、両親世代は、皆、それが事実と思っていたらしい。

だが、これは明らかに創作だ。もちろん、元就が、三人に、力を合わせよとは、生前言っていたようなので、全くの嘘と言うことではないかもしれない。ただ、元就の臨終時には、隆元は、すでに亡くなっており、三人が揃うということはあり得ない。それに、元就が臨終のときには、皆、ええおっさんだ(笑)。そんなことさせるわけがない。

ただ、元就は、生前、三人宛に、教訓的な書状を遺しており、そこでは兄弟の諍いを戒めている。そして本家の兄を盛りたてることを命じている。そのことを元に、子供たちのために、創作したのだろう。以前にも触れたが、絵本、童話には、そういうものが溢れている。そこには、子供に対する大人の意思が働いている。

大人の視点で見れば、内容的には、悪くはないが、歴史的人物の実名を使う以上、やはり問題視されても仕方ない。まあ、そんなことを言えば、娯楽時代劇は、全て駄目になってしまうから、そんなに難しく言う必要もないのかもしれない。だが、事実も知っておくのも大切だ。

|

« 部屋を清潔に保つこと | トップページ | デザインによる付加価値 »

考え方」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 部屋を清潔に保つこと | トップページ | デザインによる付加価値 »