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2009年9月 8日 (火)

デザインによる付加価値

別に秋が近くになったからと言って、デザイナーでもない流風が、デザイン論を展開するのもおかしいと思うが、一応、企業におけるデザインの自分なりの認識を示しておこう。いつものことだが、専門家でもないので、確認しながら、読んでください(笑)。

商品の機能で差別化できなくなると、企業は、デザインでの差別化を検討する。それは価格競争に巻き込まれないようにするということを意味している。競争は大切だが、行き過ぎた競争は、企業を疲弊させる。そこで、付加価値を高めるため、デザインを利用する。

しかしながら、商品は本来、機能が優れていれば、デザインは、基本的に決まってくる。優れた商品は、優れたデザインのはずだ。それをデザインで差別化しようとするということは、その商品の機能が、まだ十分でないことを意味している。

もちろん、市場価格の問題があるので、絶対的な機能を持った商品は、市場にはない。絶対的な機能を持った商品は、とてつもない価格になるので、市場に受け入れられない。そこで、まさに市場と折り合いをつけた「適正価格」での、商品供給になる。

以上のような制約条件のもとで、企業は他社と差別化を図るべく、魅力あるデザインを考案する。だが、全ての人に受け入れられる商品はない。そこで、人々のデザイン嗜好を調査して、いくつかのグループを作り、そこに対応するデザインを検討することになる。

つまり、平均的なデザイン、最大公約数的なデザインは、量産しても、基本的に売れないということを経験しているからだろう。ということは、売り上げの極大化は望めず、いくつかの山の頂点を目指す戦略を打ち出すことになる。いわゆる次善の策だ。

これは中小製造企業に有利に働き、ビジネスチャンスがあるということである。小回りが利いて、小ロット生産もできる中小企業は、デザイン差別化戦略になじみやすい。もちろん、あまり細かく過ぎると、その弊害もあるが、今はネット販売も可能だから、認知度を高める努力をすれば、それなりに売上アップも可能だ。

これらのことは、現在では、自動デザイン、コンピューター設計、ロボット生産でも可能かもしれない。そうなれば、大企業でも、対応可能ではないかと反論が来そうだが、時代の空気を読む感性は、人間しかできない。またモノの作り込みも職人の経験には、ロボットは及ばない。

これは何を意味するか。つまり、まず作り手の意思を明確にすることだ。その中で消費者とコミュニケーションしながら、内容のグレードアップを図っていく。そうすることが続けば、固定客を生むことになる。

ただ、中小製造企業者に一番欠けているものは、消費者とのコミュニケーションできる製品であろう。いい技術があっても、コミュニケーションがなければ、ビジネス拡大ができない。それに、新しい切り口を見つけ、支援するのが、いわゆるデザイナーであろう。

*参考

以上のことを意識したものかわからないが、現在、神戸市立博物館を中心に4会場で、『感性価値創造ミュージアム』が開催されている(平成21年9月13日まで)。博物館では、西日本エリアで生まれた60品目が展示されている。

展示されているものの多くは、多分に、遊び心が備わっている。もちろん、全てが実用的である。ただ、参考価格も提示されていないのが気になる。価格は、大変大切で、価格も、ある意味、デザインであることを忘れてもらっては困る。それによって、ビジネスで成功したり、失敗するわけだから、いくら公共の施設を使った展覧会でも、片手落ちである。

そういうことを除けば、デザイン重視の展覧会としては、まずまずである。設営も、行き届いているし、雰囲気もいい。提供された冊子を見ながらの展示品の展覧はよかったと思う。ただ、こういう展覧会は、継続して、繰り返して、何回も開催する必要がある。そして、今後の市場や消費者への販促は、企業の個別の努力であろう。

 

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