« 言葉の軽さの弊害? | トップページ | これからの日本の環境問題に対する住宅政策 »

2009年10月 5日 (月)

菊と酒~王之渙の『九日送別』

9月9日は重陽の節句。今年は、もう終わった話題と思われるだろうが、旧暦では、今年は10月26日が、その節句。でも、日本では、あまり話題にされないし、特に催しもされない。せいぜい菊花展くらいだろうか。

しかしながら、その菊花展も、ただ菊の美しさを愛でるだけで終わることも多い。本来は、長寿を願って、この時期に咲く菊の花を飾り、菊の花を酒に浮かべて飲む。でも、このような風流な催しがなされないのは、少し残念な気がする。

さて、漢詩にも、重陽の節句を題材にしたものがある。その一つに、王之渙の『九日送別』がある。「九日」とは、九月九日のこと。これは、この日に旅立つ人を送りだす詩だ。ただ、誰を送ったものかはわからない。また中国語で「故人」とは、「旧友」のことらしい。

  薊庭蕭瑟として 故人稀なり

  何れの処か 高きに登りて しばらく帰るを送らん

  今日暫く同にす 芳菊の酒

  明朝は応に断蓬と作って飛ぶべし

解釈としては、「薊州の町の役所には、君が行ってしまうと、もう友と言える人は誰もいない。酒宴のため、どこかの丘や山に登って、いつか君が帰ってくるのを期待しながら、送るとしよう。

今日の重用の節句の、しばしの間、菊を浮かべた酒を酌み交わそう。明日の朝には、蓬が球形となって風の吹くまま、彷徨うように、私は、どこかに行ってしまいたい気分になるだろう」、ぐらいかな。

この詩に出てくる菊酒は、まだ試したことがないが、一度やってみようかな。中華街に行くと、中国茶の店では、時々「菊茶」が売られている。健康にいいらしい。一度、購入して、飲んでみたが、少し癖のある味だ。それ以来、買っていない。さて、酒の方はどうかな。

流風の庭には、小菊がたくさん咲きそうなので、今年は、その頃に試してみますかな。お酒は、どこのものにしようか。また菊は、確かに除菌効果はありそうだし、除虫菊があるように、虫よけの効果もある。娘さんを持つ父親は、せいぜい菊の花を持たせるべきですな(笑)。また脱線。

それにしても、友を送る時は、多少大袈裟に惜しむのがいいのだろう。別に古い友人が去ったところで、また新しい友人はできるだろうが、そこは惜しむ心を示すのが、情というもの。そして、やはり送別の詩は、春ではなくて、秋の方が相応しいのだろうか。日本では、移動が3月に多いので、当然、春になるのだが。

|

« 言葉の軽さの弊害? | トップページ | これからの日本の環境問題に対する住宅政策 »

古典文学・演芸」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 言葉の軽さの弊害? | トップページ | これからの日本の環境問題に対する住宅政策 »