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2010年1月18日 (月)

ビジネスを動かすには その六(家具市場)

ビジネスを活性化するのは、民間の知恵。決して政府ではない。国や行政への依存体質の高い企業は、早くその意識を脱しよう。どうも元気のない企業は内向き志向だ。そこから脱する意識が大切だ。

今回は家具市場を見てみよう。経営者と話すると、この業界は、ずっと厳しいようだ。実質、開店休業の店も多い。家具市場は、住宅着工件数に影響される。新築や引越し時には、新規に家具需要が発生する。しかし、最近の住宅着工件数は減少しつつある。それは国内に住宅ストックが曲がりなりにも、十分だからだ。

それに最近の住宅は、造作家具が備え付けてあり、必要な家具の量が減っている。そういうこともあり、住宅着工件数が減る前から、家具業界は苦戦している。となれば、何をすればいいのか。残念ながら、特別な手立てはない。結局は、以下のような家具周辺ビジネスを充実させるしかない。基本的には、手間がかかり、他社があまりやりたがらないものがいいだろう。以下、例示しておく。

 一、インテリアプランサービス

家具の販売は、消費者が店に来て、適当に選んで買う場合が多い。インテリア計画は不十分なことが多い。新築であれば、まだ全体のコーディネイトもしているだろうが、買い替えの場合は、消費者の判断で、購入後、後悔することもある。そのための簡易インテリアサービスを有料で行えばいい。そうすれば、間取りも把握できて、今後のセールスにも役立つ。

 二、小物家具とか隙間家具の充実

消費者は、家具の配置で、空間の使い方が非効率なことが多い。そのため、整理整頓が出来ていない家が多い。家具を配置替えすることで、隙間が生じるので、小物家具とか隙間家具を提案する。一、と同様、インテリアサービスの範疇に入れてもいい。

 三、オリジナル特注家具

自分だけの家具は持ちたいもの。それは、どんな部屋でも汎用性があり、堅牢で、ずっと使い続けることが可能なものに限る。基本的に、構造とデザインに詳しいスタッフと修理システムが必要。その前提として、インテリアプランサービスが必要。

 四、家具の個人輸入代行

海外に行って、実際に家具を見て、それが欲しいという消費者は意外と多い。ただ、大ぶりのため、日本の家には相応しくないものも多い。しかし、インテリアプランをして、サイズ的に問題がなければ、輸入代行するのもいい。料金体系を明確にしておくことだ。

 五、家具のリフォーム

いい家具は、使い続けたいもの。ただ修理は、出来るだけ、住んでいる地域で行いたい。運送で送って、リフォームする方法もあるが、プロセスを顧客が確認できない面がある。基本的に、家具職人の確保が必要。

 六、家具のクリーニング

意外と見落とされているのが、家具のクリーニングだ。仏壇のクリーニングはあるが、家具のクリーニングは、昔ほどではない。昔は桐の箪笥など、ある程度普及していたが、使い捨て文化と共に、廃れていった。クリーニングすれば、長持ちできるということをアピール。もちろん、市場的には、高級品のみに当てはまる。

 七、顧客の家具の廃棄代行(*注)、買い替えの促進

家具の廃棄に困っている人は多い。役所に言えば、ゴミ捨て場まで、持っていけば、有料で引き取ってくれるところもあるが、家具をゴミ捨て場まで持っていくのは大変。その結果、買い替えたいけれど、使い続けている人が多いのだ。

 八、顧客の家具移動サービス

部屋の模様替えは、誰でもしたいものだ。但し、高齢になると、それは難しい。子どもたちが近所にいれば、頼めるが、そうでない場合は、便利屋に頼むしかない。しかし、信頼できる業者はなかなかいない。それを、家具屋が引き受ければ、家の中のすぐの状態もわかるし、営業も可能だ。

 九、中古家具の仲介取引

高級家具を親から引き継いでも、処分に困ることがある。そういう専門業者はいるにはいるが、査定基準が曖昧。結構、疑わしい査定も多い。まず中古家具流通市場が必要だが、専門家具店のとしての目利きで査定すれば、信用してもらえるだろう。

 十、家具の組み立て代行

最近は、ネットで組み立て家具を購入する人も多いが、組み立ては、消費者の方でしなければならない。だが、慣れていないと、時間もかかるし、ケース等ゴミの処理も大変だ。それを代行すれば、ビジネスになる。

 十一、引越し等配送サービス代行

家具の単発の移動は、車を持っていれば可能だか、そうでない人は運送会社に頼む。それを家具屋で引き受ければ、移動先の状況がわかり、営業できる。

 十二、家具に関する各種教室の開催

名のある家具職人等を招いて、家具の製作プロセスや見分け方の教室を開催し、消費者に本物の家具を選んでもらう。その他にも、家具の製作教室を開き、消費者に実践してもらい、人材を発掘するなど。

以上のことから見えてくることは、単に家具という物品の販売にとどまらず、有料関連サービスに乗り出していくことが求められる。顧客の動向を見ながら、これらのビジネスを取捨選択しながら、ビジネス体系・価格体系を整えることが大切だ。そして、肝心なことは、決して無料サービスはしないこと。

更に家具業界の課題としては、環境がらみで、高級家具を普及させていくことだろう。その分野での買い替え促進は廃棄等環境のことを考えれば望まれる。そのためには、メーカーの品質保証、アフターサービスは欠かせない。

そして中古流通市場を作ることだ。そのためには、安物家具は、ある程度の市場はやむを得ないが、環境という観点から、ゴミとなる可能性が高いので、今後は、極力、市場から排除していく姿勢が望まれる。

もちろん、顧客の理解が進まないと、一気に進めることはできないが、業界として、オピニオンリーダーを擁して、積極的に啓蒙活動を推し進めるべきだろう。最終的には、国内にある家具の量は限られてくる。

そうなると、あらゆる家具サービスのシステムが地域に根付くことが求められる。家具の場合、嵩が張るので、ネット取引というのは、物流コストの問題がある。メンテナンスサービスは地域に根ざしたものでなければならない。それを1社単独でするのか、共同でするのかの判断も求められる。

*注

一般には家具の廃棄は、役所の環境課が粗大ごみとして扱っている。ただ、消極的廃棄ではなくて、家具の買い替え促進のための積極的廃棄のため、家具店が代行する。環境課との連携が必要。消費者の理解を得るため、環境のための廃棄家具基準が必要になる。

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