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2010年2月10日 (水)

香炉峰の雪

本日は、昨日に続いて暖かいが、先日は、雪が少し積もった。また明日から急激に温度が下がり、寒くなるようだ。本当に体調管理が大変だ。

さて、今回は、その雪を題材にした文学に少し触れてみよう。それは「香炉峰の雪」。「香炉峰の雪」という文字に接したのは、学生時代の国語の教科書だ。『枕草子』に清少納言が、中宮定子とのやりとりで、自分の教養あることを自慢たらしく記している。

学生時代に学んだ教科書にも、出典は記してあったと思うが、古文が苦手だった流風には、なかなか思い出せない。少し気になって、もう一度確認してみた。そうすると、白楽天の詩だった。

40代半ばで、直言により左遷された彼は、「香炉峰下草堂東壁に題す」という詩を残した。全詩はもっと長いが、その一部のみ、備忘録として、記す。

  日高く睡(ねむ)り足りて 猶起くるに慵(ものう)し

  小閣衾を重ねて 寒を怕(おそれ)ず

  遺愛寺の鐘は 枕を欹(そばた)て聴き

  香炉峰の雪は簾を撥(かか)げて看る

  匡廬(きょうろ)便(すなわ)ち是れ名を逃るるの地

  司馬仍(な)お 老を送るの官と為す

  心泰(ゆたか)に身寧(やす)ければ 是帰処

  故郷何ぞ独り長安に在らん

この詩は、白楽天が、堂を作り、落成記念に、東の壁に書きつけたものとされる。今でも、芸術家であれば、やりそうなことだ。そして、詩の内容は、プラス思考なのか、負け惜しみなのかは、わからない様な感じだ。詩の意味は、流風的に解釈すれば、次の様だろう。

「日は高くなり十分眠ったが、また起きるのも、うっとうしい。寝室では、寝巻を重ねて着ているので、寒さも、そんなに気にならない。遺愛寺の鐘は、寝ながら枕を傾けて、聴いている。香炉峰の雪は簾をかかげると、ちょうど見える。

(自然が豊かで何もない)匡廬という所は、丁度、名を隠すには絶好の場所だ。(左遷されたため与えられた)司馬という職は、本来、隠居のやる閑職だ。だが、心身健康であれば、こんなにいい所はない。故郷というのは、何も長安に限ったことではない(と考えることにしよう)」と。

仕事をしておればいろいろある。いいと思って提言したことが、上司の逆鱗に触れ、左遷されることもある。ただ、彼のようにプラス思考で捉えることも大切だ。左遷は、熱(ほとぼり)が冷めるまで、少し頭を冷やしてこいという上司の情けの場合もある。

会社を辞めさせられなかったら、そのように理解して、プラス思考することも人生においては大切だ。新しい場所で、また新しい発想で、次の展開を考えることができる。若い人たちも、これから色々あるだろうが、くよくよしないことだ。ピンチと思った時は、チャンスなのだ。

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