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2010年4月12日 (月)

ビジネスを動かすには その十(宿泊産業)

ビジネスを活性化するのは、民間の知恵。決して政府ではない。国や行政への依存体質の高い企業は、早くその意識を脱しよう。どうも元気のない企業は内向き志向だ。そこから脱する意識が大切だ。

今回は宿泊産業の行方について、流風が気付いた点について、少し触れてみよう。語りつくされているので、特に目新しいことは記せないかもしれない。関係者はご容赦を。

一、宿泊産業は、旅行業の一環として捉えられる。

よって旅行業者の出来不出来に経営は、左右される。もちろん、現在は、ネットでの予約ということで、宿泊産業の知恵も大切だ。また、宿泊産業が旅行業の一部と捉えずに、一つの独立したエンタテイメントとして、捉えるやり方もある。

二、顧客の多様化への対応

顧客は、国内顧客、海外顧客共に、多様化しており、すべての顧客に対応するのは、事実上不可能と言ってよい。よって、宿泊業も多様化が求められており、顧客の種類によって、自社の立ち位置を決めるべきだろう。

また過去に多大の設備投資して作られた宿泊産業はリストラしないと生き抜くことは難しく、廃業へと追い込まれている。その施設を買い取って、違う戦略により、新しい顧客を、新しい宿泊施設に模様替えして、リノベーションする動きも一部に見られる。

よって、どの顧客を狙うのか明確にしないと、生き残ることは困難と言えよう。顧客も生きている。施設も生きた存在にすることが求められる。過大な投資はペイしないかもしれない。小さい投資で、順次やり替え可能な施設が望ましい。

三、国内顧客のより分け

国内顧客は、富裕層と、中間層になる。低所得層には、あまり期待できない。生活に余裕がないと、旅行は日帰り等の簡易なレジャーになる。

顧客の年齢層は、その行動嗜好からして、大きく分けて現役世代と、引退世代に分かれる。

更に、これらを加味して、長期宿泊と短期宿泊に分かれる。これは、個人の嗜好の問題もある。単なる旅行雑誌等によって得た情報の確認作業なのか、あちらこちらには行かず、一か所を深掘りする強い嗜好の基づくものかによって、旅行スタンスは大きく異なる。

これらの顧客に対応しうる宿泊施設と価格体系が望まれる。価格体系はサービスをどの水準にするかということが決め手になる。

四、海外顧客のより分け

基本的に、アジアの顧客と西欧の顧客は、その行動が大きく違う。アジアの顧客は、家志向が強く、お土産に金を使う。また富裕層には、食事も豪華なものが望まれがちだ。食事に、あまりけちけちした行動はしない。

また観光は、自分が経験したことのないものが望まれる。結構、海を見たことがない人や雪を見たことがない人の感動が大きく、彼らを満足させる仕組みが必要で、宿泊施設も、そういった配慮が求められる。

それに比べて、西欧の旅行者は、基本的に、空間・時間消費で、お土産とか食事に、それほどお金をかけない傾向がある。彼らは、異空間の経験重視なのだ。よって予算的に制約が多く、彼らの懐具合に配慮したやり方が求められる。

また一時的な宿泊に留まることなく、継続的な交流の方法もマスターしておく必要がある。

五、泊食分離と、それに対する対策

旅館の豪華な夕食は、敬遠され、国内旅行向けには、泊食分離が歓迎される傾向にある。よって、館内の食事施設に加えて、周辺の食事施設との連携が大切になってくる。

また食事も、国内どこでも食べられるような内容になっていることが多く、旅行でわざわざ食べる料理ではないことが多い。やはり地元独特の料理の推奨が望まれる。

六、宿泊産業の規模はどれくらいが適性か

顧客の多様化に伴い、狙った顧客に相応しい施設規模、サービス体制が求められる。ただ、休日分散化が議論されているが、基本的には、機会損失が出る程度の規模がよい。機会損失を無くそうとすると、過大な投資となり、回収が難しくなる傾向が強い。やや不足気味の施設に集まる傾向がある。それを踏まえた規模にする必要がある。競争者が気になるところだが、あまり、そういう心配はせず、独自路線で頑張った方がいい。

七、宿泊産業と地域

かつて、宿泊産業の一部は、施設だけで、独立した産業体であったが、現在は、需要の多様化に対して、一社で対応することは難しく、同業者・異業者との連携は欠かせない。自社だけ生き残ろうとしても、それは無理だ。また地域を活性化させることは、自社の繁栄につながることでもある。

八、地域間競争と連携

宿泊産業は、ある意味、地域間競争でもある。地域の魅力アップには、地域で皆が知恵を出し合う必要がある。旅行者に魅力あることは何なのか。地域のオリジナル性は何なのか。顧客は地域に何を期待しているのか。地域に欠ける人材はどういうタイプなのか。いろいろ検討して、いろいろやってみることが大切だ。

その上で、いずれ他の地域との連携も必要になってくる。

九、顧客に選ばれるために

顧客に選ばれるのは、基本的におもてなしということだろう。旅行者がやってきて、不親切では、リピートは期待できない。人と人。この接点をどれくらい作れるか。地域に魅力ある人はいるか。住みやすい地域か。そういうことも影響する。基本的に、オープンマインドで接することができるかということ。

十、コスト管理は空間管理と時間管理

宿泊業のようなサービス産業は、基本的に、空間と時間の管理が大切だ。これを無駄なく、活用する意識が必要だ。特に経営者の意識と行動が求められる。よって常に自己を高める努力が求められる。従業員教育も大切だが、トップのポリシーと、その行動がすべてお手本となる。

ただ、効率性だけに傾かないようにしなければならない。効率性と効果性のバランスをとるのも経営者の役目である。

*追記

流風は、休日の分散化政策を強く支持します。旅行業や宿泊業をもっと発展させるには重要な施策だから。ただ受け入れ態勢も、それに伴い、改革する必要がある。

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