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2010年4月 7日 (水)

尊徳の「富者と貧者」

よく父が、「どんな社会でも、格差は起こる。だから、それを前提に暮さなければ、取り残される」と言っていた。つまり、同じ給料をもらっても、ある人はアリの如く一定の貯蓄に励み、また別の人は、キリギリスの如くすべてを費やすことが続けば、年月を経るごとに、その貯蓄格差は広がる。元は同じでも、その心構え一つで、将来の資産格差は生じる。

このことは、二宮尊徳も指摘しており、彼は次のように言っている。

「貧者は昨日のために今日勤め、昨年のために今年励む。故に苦しんで、その功なし」と。逆に、「富者は明日のために今日勤め、来年のために今年勤め、よく安楽自在を得る」と。これが格差を生む。

格差を環境のためだという人もいるが、やはり、それだけではなかろう。チャンスを与えられる環境を自ら作る必要がある。それに、お金はかからない。やはり心構えが大事なのだ。明日のことを常に考えて行動しているか。昨日や今日のためにのみのため、働いていないか。

尊徳は、次のように結論付ける。

「忍耐、勤倹、分度、推譲の道を貫くのほかなし。富むというも、貧しきというも、この出発の隔たりたるによるのみ。明日に得て今日を、今日に得て今日を、やがて今日に得て明日を迎うるを得ば、富者なり」と。

要するに、分相応の生活をせよ、と言うことだろう。無理な生活をしなければ、それで大抵はやっていける。ただし、今しか見ていない生活は、いけないということ。もちろん、そのようにしても、すべての人が富者になるわけでもないが、それなりに老後も暮らしていけるのではないか。

*分度

二宮尊徳の創始した報徳仕法。自己の社会的・経済的実力を知り、それに応じて生活の限度を定めること(広辞苑)。

*推譲

人を推薦して、自らは譲ること(広辞苑)。

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