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2010年9月21日 (火)

親の思い

小さい頃、母が身ごもって、弟や妹ができるという話がされると、何か、わくわくするものである。親からは、お兄ちゃんとかお姉ちゃんになるのだから、しっかりしなさいと言われるものだ。生まれるまでは、どこか期待感がある。

ところが、生まれてくると、母親はどうしても、弟や妹に、かかりっきりになる。それは仕方ないのだが、子どもしてみれば、母親を奪われた嫉妬感に捉われるようになる。初めは可愛がっても、ちょっかいをかけたり、いじめたりする。

そして、親からは叱られるのだが、自分に興味を引いてもらいたいばかりに、いたずらしてり、いろいろ問題を起こして、エスカレートすることもある。こういうことは、いつの時代も繰り返されてきた。

また弟妹にすれば、兄姉は、いつも新品で、私達は、いつも、お下がりは不平等と思って不満を常々持っている。新品は、親の愛の示し方と捉えるのだろう。彼らは、親の経済的事情は子どもに関係ないと思う。

親は、彼らの微妙な捉え方に、戸惑ってしまう。平等に扱っていると日々努力しているのに。それは子どもたちが大人になっても残る感情のため、子育ては難しいと思うようになる。

そういうことは、今も昔も変わらず、親の嘆きを詠った和歌がある。それは次のようだ。

  わたつみの 深き心は おきながら

    うらみられぬる ものにざりける

              (読み人知らず)

いろんな歌集に、似たような歌が掲載されている。すべて、読み人知らずだ。これは『大和物語』にあるものだが、読み人は、不明だが、宇多天皇とか伝えられている。

解釈としては、「(子どもたちには、それぞれ)大海のような深い愛情をかけているのに、残念なことに、不公平だと恨まれてしまった」という意だろう。親とは辛いものだ。子どもたちに親の思いを理解されずに、子どもたちは不満を持ちながら成長していく。

そして、子どもたちは、結婚して、子どもを持つことで、初めて親の思いを知る。残念ながら、人類は、これを繰り返しているようだ。子を持つまでは、先人の教えも、あまり参考にならないのかもしれない。親とは、子育ての楽しみもあるが、ある意味、辛いものだとも思う。

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