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2010年10月20日 (水)

菊と慕情

   うゑしうゑば 秋なきときや 咲かざらん

           花こそ散らめ 根さへ枯れめや

             (『古今集』二六八、在原業平)

菊の季節になって来た。各地で、そろそろ菊花展が開かれていることだろう。流風も一か所、見に行ってきたが、まだ満開とは行かないようだ。今年は酷暑の影響で、菊の成長が遅れている。でも、もう少しすれば、大輪の花を咲かせるのだろう。

流風は小菊しか植えていないが、あまり手入れをせずとも、毎年、この時期になると花を咲かせる。そういう意味では強い植物だ。来年あたりは、大きい菊にも挑戦してみようかなと思っている。難しいらしいけれど。

さて、先に挙げたも業平の歌は、二条の后、すなわち清和天皇の后の藤原高子に要望されて、菊を献上した時に、付けたものらしい。まだ彼女が后になる前に、恋人だった業平との関係は、その後も、お互い未練があるから複雑だ。危ない、危ない(笑)。果たして、彼女が后になって以後も、関係が続いていたのかは不明。ただ、そういう雰囲気は漂っている。

歌の意は、「ご要望の菊の花を植えました。秋の無い時は咲かないかもしれませんが、そういうことはなく、多分、毎年咲くでしょう。そして、咲いた花は散るでしょうが、根が枯れずに残っていたなら、また咲くでしょう」という感じ。

これは后が冷たくしないで、と言ったのに対応したのだろうか。そして、業平の方も未練がいっぱい。歌に託して、あなたへの想いは変わりません、と抑制された慕情を伝えている。ちょっと、うじうじ系(笑)。また当時の皇族は、異性関係が乱れていたとも言われる。天皇に連なる人は、やりたい放題のイメージがある。

まあ、それでも、歌を鑑賞する限りは、気持ちを抑制している。でも、昔、関係があった男女は、あまり近付かない方がよろしい。焼けぼっくいに火がつきかねない。君子危うきに近寄らずだ。どうも、菊の歌として取り上げたはずが、変な方向に。ご勘弁を。

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