« 田舎暮らしの流れ | トップページ | 菊と慕情 »

2010年10月19日 (火)

秋の酒に酔う~漢詩『酔後』

涼しくなって、食べ物が美味しい季節だ。やはり鍋物がいい。先日は、久しぶりにおでんを作った。子ども時代は、「関東煮(かんとうだき)」と言っていたように思う。関西は、すでに味がついているので、そのまま頂けるが、前にも記したが、三つのやり方で食する。

まず一般的な、辛子につける食べ方。次に、酢味噌につけるやり方。三つ目は、生姜醤油につけるやり方。三つ目は、最近、B級グルメで、浸透してきたようだ。どれも美味しい。未だ味わったことがない方は、是非試してみてもらいたい。

そして、おでんと言うと、お酒がつきもの。やはり日本酒の燗がいい。これだと、本当に温まる。流風の飲む日本酒は、地酒のあまり高くない物。でも美味しいよ。そんなに飲めないけれど。

さて、内容は全然違うが、秋の酒ということで、漢詩を一つ挙げておこう。酒を飲んだ後で作詩したようだ。作者は劉商。唐の詩人だ。詳しいことは知らない。題は、そのものずばり、『酔後』。

  春草 秋風 此の身を老す

  一瓢長く酔いて家の貧しきに任す

  醒め来って還って愛す

  官河に漂寄すれども人に属せず

意味は次のようだろうか。「春の草が秋風と共に枯れていくように、私も寄る年波には勝てず、老いを日々感じている。安い酒を少しだけをゆっくりかけて飲んで、家の貧しさを、紛らわしている。酒が醒めて、却って愛すのは浮き草だ。それはちょうど私のようだ。役所の周りに水が流れる掘割に近付いて浮かんではいても、適当な距離を置いて、独立独歩、彼らの差配は受けぬと決めている」と。

これは何を語っているのだろうか。日本の定年退職者が、組織から外れて寂しいと思うのとは違うようだ。確かに寂しい面もあるが自由な面もあるだろう。むしろ、第二の人生として、新しいことに挑戦した方がいいとも言える。

だが、結局、また仕事を始めてしまう人々がいる。それが生きがいだといえば、確かにそうだが、違った観点から、仕事を見つめたいものだ。現役時代の続きのような仕事では、空しいだけだろう。改めて自分の存在価値を確認したいものだ。自らの経験をいかを伝えていくか、そういうことが大切ではなかろうか。

|

« 田舎暮らしの流れ | トップページ | 菊と慕情 »

古典文学・演芸」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 田舎暮らしの流れ | トップページ | 菊と慕情 »