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2010年11月13日 (土)

レポーター西鶴の教え「長者丸と毒断」

拙ブログで、度々取り上げている西鶴だが、意外と読まれていないようだ。彼は当時のレポーターというような感じで、見たり聞いたりしたことを記録にとどめ、彼の感想を記したのが、彼の作品の多くだろう。

現代で言えば、三面記事になるような情報を収集をして、それをうまく整理して、まとめたと言うことができる。彼の教えは、現在でも通用することが多く、もっと多くの人に読んでもらいたいものだ。

今回は、以前に記したものと重複するかもしれないが、商売に関することに触れておこう。それは長者丸と毒断だ。まず長者丸とは、次の事を指す。

  ◎朝起き(早起きの意) 五両

  ◎家職(家業の意)  二十両

  ◎夜詰(夜業の意) 八両

  ◎始末(倹約の意) 十両

  ◎達者(健康の意) 七両

合計五十両に十分配慮しすれば、長者になれるというもの。

次に、毒断とは次の事を断つことを指す。

  ●美食・淫乱・絹物を普段着

  ●内儀を乗り物全盛、娘に琴・歌賀留多

         (妻や娘に贅沢させる意)

  ●男子に万の打囃

         (息子に遊芸を学ばせる意)

  ●鞠・揚弓・香会・連俳

  ●座敷普請、茶の湯数寄

  ●花見・舟遊び・日風呂入り

  ●夜歩行・博打・碁・双六

  ●町人の居合・兵法

         (町人の本分以外に手を出す意)

  ●物参詣・後生心

         (宗教に無駄にお金をかける意)

  ●諸事の扱ひ・請判

    (ややこしいことに首をつっこみ仲裁したり、保証人になることの意)

  ●新田の訴訟事・金山の仲間入り

    (訳のわからない事業に参入することの意)

  ●食酒・たばこ好き、心あてなしの京のぼり

    (嗜好品や目的の無い旅行に行くことの意)

  ●勧進相撲の銀本、奉加帳の肝入

    (興業のスポンサーになったり、寄付のまとめ役になることの意)

  ●家業の外の小細工・金の放し目貫

    (商売とは直接関係のないことにお金をかける意)

  ●役者に見知られ、揚屋に近付

    (役者関係に見知られ、頼られ、揚屋に近付き金を巻き上げられる意)

  ●八より高い借銀

         (高い金利の借金をする意)

以上のように、長者丸を飲み、毒断ちをすれば、金持ちになれると、西鶴は説く。果たして、皆さん、いかが(笑)。人は知らず知らず、贅沢するようになると言ったのは祖父。よく子どもが言うように、「誰誰ちゃんとこもそうだから、あれ買って」と言われ、そのようにしていたら、お金は貯まらないということらしい。長者丸は努力して飲むことができても、毒断ちはなかなか大変だ。要するに、そこが境目かもしれない。

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