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2010年12月15日 (水)

税制改革2011 相続税私見

相続税が改正され、早ければ2011年に、最高税率が55%に引き上げられ、基礎控除も5000万円から3000万円に引き下げ、加算控除も法定相続人一人あたり1000万円が600万円に引き下げられる。すなわち、課税範囲が拡がる。そして、税率区分は6段階から、8段階に増える。

これは、現在、相続税を支払う人が、相続する人の4%程度で、それを引き上げる意図があるようだ。でも、かつて、バブル以前は、基礎控除が2000万円、加算控除が法定相続人一人あたり400万円で、税率区分も14段階だったのだから、まだ、その段階には至っていないが、遅まきながら、少し改善されたということだろう。

なぜ基礎控除がバブル後加算されたかと言うと、バブルで異常に地価が上がり、都心部に住む住宅地の相続者が、土地・家を手放さないと、相続税を支払えない事態が生じたからだ。相続税に相当する資金を持っている人はそんなにいなかったから、社会問題になった。

そこで、基礎控除引き上げた。しかしながら、バブル崩壊の波も収まり、現在は地価が下落して、それが安定している状態。もちろん、バブル以前の状態に戻っている所ばかりでもないが、かなり落ち着いている。

ところが、所得税同様、税制はバブル時と同じ状態(税制は、経済とタイムラグが生じる)が続いており、今回、修正するに至ったようだ。もちろん、金持ちの方々には、贈与税という抜け穴が拡大しており(*注)、どれほどの税収増加が見込まれるか不明だ。それでも、税制改革をしたことは、一応評価していいだろう。

*注

110万円の生前贈与を毎年、計画的にすれば、合法的に節税できる(実際は110万1000円贈与し、非課税分110万円を引いた1000円に対して贈与税を支払い、税務当局に証拠を残すということが行われているようだ)。

また住宅資金贈与が孫にまで適用される。相続時精算と言うことだけれど、相続財産を先取りして、課税は先延ばしされる。政府は、資産を持つ高齢者に資金が滞留するより、子どもや孫たちの世代が消費してくれれば、景気によい影響を及ぼすと考えているようだが、疑問符は残る。

いずれにせよ、財産税は、あまりいじっても、税収拡大効果はあまり大きくない。人の死によるスポット税収は、あまり、あてにできないものなのだ。

ただ、前首相のように多額の贈与が行われて、税金が払われていなかったとしたら、問題は大きい。単に税法に無知だったと言うだけでは済まされない。当局は、厳しく監視するべきだろう。

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