« 放射性物質を含んだ水の活性炭処理に効果? | トップページ | 放射性物質は体内に蓄積される »

2011年3月27日 (日)

地震災害を憂えた良寛

   かにかくに とまらぬものは 涙なり

   人の見る目も しのぶばかりに うちつけに

   死なば死なずで 永らえて かかる憂き目を

   見るがわびしさ  (良寛)

震災で生き残った人々を慮って、良寛が詩にしている。死ぬのも地獄だが、生き残って辛い目に遭うのも苦しい。まさに被災地の方々の今の心情だろう。そして、その様子を見るのも辛い。

良寛の歌は、文政11年(1823年)の三条大地震の惨状に際してのものである。解説書(*注)によると、この地震はマグニチュード6.9。死者1,607名、負傷者1,400余名、倒壊家屋13,000余軒、半壊家屋9,300余軒、焼失家屋1,770軒の被害であったという。

一瞬にして、越後が消えたと江戸の瓦版は報じたという。震災の起こった日付は、陽歴にすると、12月18日で、やはり冬である。大きな震災は、昔も今も、冬が多い。良寛のような感慨は、今回、被災に遭わなかった多くの人々も感じたことだろう。

また、同じようなことが、いつ私達に降りかかるかもしれないからだ。しかし、こういう災害も、日本及び日本人が負うた宿命でもある。日本に住む限り、これから逃れられない。やはり何回も言うようだが、日本人は、お互い助け合って生きていくしかない。

それには、西欧的な効率主義では、当然、無理で、日本では、次善の策で、やっていくしかない。例えば、

 ◎効率という人の頭脳のなすがままにする首都圏の肥大化

 ◎コストダウンのため効率を追い求めるトヨタカンバン生産方式

 ◎エネルギー源として、発電効率から原子力発電による高い依存

 ◎家庭のエネルギー源を電気にのみに頼るオール電化方式

 ◎自然災害リスクを賄う含み資産経営を否定する時価会計方式

などから、発想の転換が求められている。良寛のような仏教者としての諦念は理解できるが、憂えるだけでは、何もよくならない。日本に相応しい、自然と調和した仕組み・対応システムを作るしかない。そして、国際社会も特別に認めてもらわねばならない。

*注

『良寛 旅と人生』(松本一壽編、角川文庫刊)

*追記

東京都圏の計画停電は、電力供給に関して、西日本と東日本のヘルツの違いが問題を大きくしたという批判があるが、幸か不幸か、仕組みが分かれていたことが、被害を小さくしたとも考えられる。もし、ヘルツが統一されておれば、全国が、計画停電に迫られ、日本経済は一時的に機能停止していたかもしれない。

|

« 放射性物質を含んだ水の活性炭処理に効果? | トップページ | 放射性物質は体内に蓄積される »

古典文学・演芸」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 放射性物質を含んだ水の活性炭処理に効果? | トップページ | 放射性物質は体内に蓄積される »