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2011年4月25日 (月)

今すぐに止めるべき原発リスト

東日本大地震による津波で破壊された福島原発により、今後、日本で、原発を推進することは難しくなる。それに原子力発電は、その建設コストや、発電利用後の使用済み核燃料という「ゴミ」処理を含めて、コスト的に合わないことは以前から指摘されていた。

今回の事故は、原子力発電そのものの価値を致命的に貶めた。毎年、かなりの量の「ゴミ」を発生させ、その処理に汲々としている。年々「ゴミ」としている累積していて、処理に困っているプルトニウム再利用も、難しいことも判明した。

強大な放射能を発し、「ゴミ」捨て場に困る原発は、地震が多く、国土の狭い日本では、最早、今後、推進することは不可能になるに違いない。それに、原発事故が生活環境を破壊し、領土を削り取ることが判明した。多くの原発は、時間をかけて、最終的に廃物処理せざるを得ない。

これは増税や電気料金の引き上げにより国民に大きな負担になるかもしれない(もちろん、その時は、東京電力の国有化は避けられない)。原発を推進した人々は、責任を取ってもらうしかないが、国民感情としては、多くの人々は刑に服すべきだろう。

また、エネルギー問題は、地球温暖化という環境問題以前の問題ということもわかった。エネルギー政策は大幅に見直されるざるを得ない(*注1)。それに加えて、地球温暖化という、あやふやな危機も見直されるだろう。

曖昧な理屈をつけた温暖化ということに疑念を持つ人は増えていくだろう。そして、石油や石炭の再評価がされる。その中で、環境に悪い影響を与えないな技術が、より尊重される方向に進むだろう。

もちろん、現状の原発を一度に全て止めることはできないかもしれない。現実的には、多くの火力発電所を再稼働させ、古い原子力発電所は一挙に廃炉を進めながら最終処理し、最終的には、化石燃料以外のエネルギー源も含めたものに切り替えていくのだろう。

それでは、本題に戻して、今回は、概ね世間が認める、今すぐ止めるべき原発リストを、備忘録的に記しておこう。

まず、40年程度経過している災害リスクの大きい初期の原発は、全て停止する必要があると専門家は指摘している。そもそも、米国の開発者自体が、欠陥原発と認めている危険なものなのだ。これは原発推進派と言われる人々も、廃炉について、そんなに意見は異ならない(*注2)

ところで、その危険な原子力発電とされるものは、1960年代に設計された「マークⅠ」型と呼ばれるものだ。原発は、それ以後、進化しているのだが、「マークⅠ」は、苛酷な炉心損傷事故に対応できない。原子炉格納容器が小さすぎることが問題のようだ。これは、「マークⅠ」型に限らず、加圧水型原子炉にも問題がある。

それでは、福島原発と同様、危険な原発がどこにあるかと言えば、次のようだ。

まず、現在、新聞等で騒いでいる中部電力の浜岡1号機と2号機(静岡県御前崎市)。現在、運転を終了し、廃炉措置中だ。3号機から5号機が稼働しており、6号機が計画中だ。6号機は延期したが、この辺は地盤弱く、仮に震災に耐えられても、太平洋岸に面しているため、津波の被災を受けるリスクは高く、福島原発と同様な事故が起こる危険性は高いと言われる。

もし、廃炉措置中のものも含めて、事故を起こせば、東京圏は甚大な被害を受けるらしい。福島原発の比ではないのだ。そうなれば、日本経済は、沈没すると予測されている。それほど影響力は大きい。ただ、これらの原発を全て廃炉するには、一応、民間企業である中部電力では経営面で、決断できない。となれば、国が決断しなければならない。それをどのように解決するのか、重い課題だ。

次に、敦賀1号機(福井県敦賀市)で、日本原子力発電が運営している。ここは、かつて事故隠しで有名になった所だ。その他にも、メンテナンスが出鱈目で、評判が極めて悪い。それなのに、2009年に延長認定が認められ、2016年まで、延長するという。リスクを内蔵した恐ろしい原発だろう。

島根1号機(島根県松江市)は、中国電力が運営している。現在停止中。ここもメンテナンスに問題が多い。定期的な点検をやっていないと疑われる。日本海に面しているため、津波リスクは小さいが、基本的に古い原発なので、即、廃炉にすべきだろう。

美浜1号機(福井県美浜町)は、関西電力が運営している。原発の寿命とされる40年をすでに過ぎており、早急に廃炉にする必要があるが、関西電力は代替原発ができない限り、廃炉しないとしている。しかし、福島原発の事故により、地元は新たな原発を建設することに反対の意向である。

関西電力は、原発の依存度が異常に高く、これを機会に、美浜1号機は早急に廃炉にして、原発依存度を下げる必要がある。それに、需要より過大に電力生産能力を維持しているため、新たに発電設備を作る必要はないとの指摘もある。それなら、余計に早く、廃炉にすべきだろう。

以上、全体を通してわかることは、どうも、どこの原発も、一般の企業では考えられないほど、メンテナンス状態が大変悪い。これでは、大事故でなくても、事故がいつ起こっても仕方ない。品質管理・品質保証の面で、企業運営のあり方が問われている。

なぜそうなるのだろう。まず経営者に危機感が足りないか、コストを優先して、メンテナンスを忌避しているかだろう。実は、原子力発電は、稼働すれば、国から利益を保証されている。経営者にとって、楽に利益を上げられる手段になっている。経営者が原子力発電を推進したくなる仕組みなのだ。

これでは、国民としては、本当に、原子力発電を電力会社に任せていいのだろうかと思いたくなる。国の仕組みも変更が求められる。自民党政権時代に国が作った変な仕組み(多分、米国が原発を日本に輸出しやすい環境を作ったのだろう)で、国民を傷つけ、国自身をも危機に追いやっている(*注3)。

*注1

また、今後のエネルギー政策は、基本的に、全国統一的なエネルギーでなく、地域に合致した地域分散化エネルギー開発が主体となっていくだろう。よって、電力供給における東日本と西日本のヘルツの違いは、課題にならないだろう。

*注2

学者の方も、薄々危険と感じても、発言できない雰囲気があったことは否めない。しかし、それでは、学者の本分を果たしていない。

*注3

原発事故処理について、菅政権を攻撃するのはお門違いということになる。菅政権の対応は、曲りなりに評価していいだろう。自衛隊を一気に10万人投入したのは正解だ(もちろん、福島原発に全員を投じたわけではない。東日本大震災に投じた人数)。

それを批判する人もいるが、逐次投入が一番いけないのは、第二次世界大戦で経験済み。仮に、東電と癒着していた自民党政権だったらと思うと、ぞっとする。多分、もっと混乱していただろう。自民党は、原発推進の責任を、どのように取るのだろう。責任は重い。国民は冷静に判断しなければならない。

*平成23年5月6日追記

菅直人首相が、すべての浜岡原発を止めるよう中部電力に要請。この判断は正しい。色々言う人がいるようだが、管首相ならではの判断と決断と思う。評価したい。

*平成24年6月30日追記

超党派の国会議員で作る「原発ゼロの会」が、即時、ただちに廃炉にすべき24基挙げている。

  敦賀1号 (福井県。直下活断層の可能性が大きい)

  美浜2号 (福井県。ECCS作動実績あり)

   1991年に、蒸気発生器事故で、緊急炉心冷却装置が国内で初めて作動。

  浜岡4号 (静岡県。東海地震震源域)

    浜岡3号 (静岡県。東海地震震源域)

  浜岡5号 (静岡県。東海地震震源域)

  柏崎刈羽4号 (新潟県。中越沖地震被災)

  柏崎刈羽2号 (新潟県。中越沖地震被災)

    敦賀2号 (福井県。直下活断層の可能性が大きい)

  柏崎刈羽3号 (新潟県。中越沖地震被災)

  東海第2 (茨城県。東日本大震災被災)

    女川1号 (宮城県。東日本大震災被災)

  柏崎刈羽6号 (新潟県。中越沖地震被災)

  柏崎刈羽1号 (新潟県。中越沖地震被災)

  福島第1-5号  (福島県。東日本大震災被災)

  柏崎刈羽5号 (新潟県。中越沖地震被災)

  柏崎刈羽7号 (新潟県。中越沖地震被災)

  女川2号  (宮城県。東日本大震災被災)

    福島第1-6号  (福島県。東日本大震災被災)

  福島第2-1号  (福島県。東日本大震災被災)

  福島第2-2号  (福島県。東日本大震災被災)

  福島第2-3号  (福島県。東日本大震災被災)

  福島第2-4号  (福島県。東日本大震災被災)

  女川3号  (宮城県。東日本大震災被災)

  東通1号  (青森県。東日本大震災被災)

 

 

 

 

 

 

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