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2011年5月10日 (火)

他社の社員は優秀?

隣の芝生が青いとは、よく言われる。ところが芝生は見る角度で、青く見えたりするので、錯覚に過ぎない。結局、実際は自分の家の芝生も、隣の芝生も、そんなに変わらない。

ところが、社員についても同様のことを経営者も往々にして勘違いするらしい。経営者は、社員についても、誤解をしがちだ。すなわち自社の社員より、他社の社員の方が優秀に見えたりする。それは経営者にとっても、社員にとっても不幸なことだ。

戦国時代から江戸時代にかけて活躍し、織田家、豊臣家、徳川家に仕え、明治まで続いた池田家繁栄の祖となった池田輝政(俗称、三左衛門)も同様な過ちをしていた。輝政は、他家の武士や浪人について、少し評判を聞くと、法外な禄で、召抱えようとした。

もちろん、家中の人材だけでは足りないと感じていたのかもしれない。将来を見据えると、不足を補うのはトップの役割でもある。だが、やり過ぎると、家中の反発を招くし、家中の雰囲気も悪くなり、招いた人間も居づらくなるものだ。

そのことを心配していた家老の伊木清兵衛は、病に倒れ、もう駄目だという時、輝政に言い残したいことがあると周りのものに伝えると、輝政が何事かと、早速やってきた。そこで、最後の諫言を伝えた。

それは、他家や浪人の召抱えを止め、もっと家中の人材をもっと俸禄を上げて、大切にしてください、ということだった。つまり家臣たちを信用して、重用することにより、やる気を引き出し、お家の安泰を目指せと忠言したのだ。

さすがに臨終の時に、そのようなことを言われて、輝政は恥じ、その忠言は生涯、守ると約束した。このようなことは、現代の企業でも、よく見られることだ。他社からスカウトしたり、中途採用して、より高い成果を望もうとする。

しかしながら、企業文化の違った所で育った人材が、新しい環境に馴染むには時間がかかるし、今までの企業文化で育った人が簡単にやり方を変えられないのも事実だ。そこで、うまく行かないと、前の企業でのやり方の変な自信から、失望したり、入社前に持っていた、やる気を失ったりする。

スカウトによる人材獲得や中途採用は、創業期の場合は、それはまだ自社の確たる文化ができていないからいいが、ある程度、企業文化が確立すれば、子会社で全く毛色の違う事業を起こすのでなければ、他社から人材を持ってくるのは、慎んだ方がいい。企業文化は、一朝一夕に作られるものではないということを経営者は心しなければならない。

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